就活時の面接などでたま~に聞かれることがある「あなたの座右の銘は?」という質問。私も遠い昔に聞かれた記憶があるが、なにしろ迷い多き20歳前後のこと。
今さらながら辞書を引いてみると「座右」というのは、「身近なところ、身辺」の意。つまり、「座右の銘=常に心にとめて戒めとする言葉」のこと。
最近、メディアで見聞きして印象に残っているものといえば、冬季オリンピックで金メダルを獲得したキム・ヨナ選手の「No pain, no gain(苦しまずして得られるものなし)」だろうか。たったの19歳で、これだけ自分というものを確立しているとは……と恐れ入った次第。
ところで今、全国の書店で古今東西のありとあらゆる名文句、ことわざ等を集めた『座右の銘』なる本が爆発的に売れているという。ご覧の通り、決して今風の装丁ではないうえに、620ページもある辞書のような分厚さにもかかわらず、すでに6刷目に突入。
版元の里文出版さんにお話を伺ってみたところ、昨年5月の発売以来、滋賀県でチェーン展開する『本のがんこ堂』という本屋さんや、東京の神保町に本店がある『三省堂書店』等の書店員さんによる売場でのプッシュからじわじわと火がつきはじめたという。
「『超訳 ニーチェの言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)のヒットがあり、“漢字ブーム”の次は“言葉ブーム”が来るのではないか? という読みから推していただいているようです」とのこと。4月中旬よりトーハンと共同で、「『座右の銘』大賞」という読者キャンペーンも開催中だそうだ。
個人的には「恋愛」のカテゴリーに気になるものがちらほらと……。「女にとって恋は生涯の歴史である。
ほか、「死を思う」というカテゴリーにあった、鴨長明の「朝に死し、夕に生まるるならひ、ただ水の泡にぞ似たりける。知らず、生まれ死ぬる人、いづかたより来りて、いづかたへか去る」というのも達観した無常感が漂っていてシビれる。代表作『方丈記』からの一節で、このまま墓石に刻みたいシブさです。ちなみに、彼が35歳でこの世を去ったのはこれを書いた2カ月後だったのだとか。
というわけで、この『座右の銘』。他にも「理想への挑戦」「老いるということ」などさまざまなカテゴリーがあり、年齢によっても気になる言葉は変わってきそう。10年後、再びこの本を開いたときに自分はどんな言葉に魅かれているのか……そんな気持ちにさせられます。
(まめこ)
オリジナルな座右の銘なんぞあるはずもなく、そもそも「座右の銘」とは何ぞや? ということすら漠然としかわかっておらず、苦し紛れに答えていたような気がする。
今さらながら辞書を引いてみると「座右」というのは、「身近なところ、身辺」の意。つまり、「座右の銘=常に心にとめて戒めとする言葉」のこと。
最近、メディアで見聞きして印象に残っているものといえば、冬季オリンピックで金メダルを獲得したキム・ヨナ選手の「No pain, no gain(苦しまずして得られるものなし)」だろうか。たったの19歳で、これだけ自分というものを確立しているとは……と恐れ入った次第。
ところで今、全国の書店で古今東西のありとあらゆる名文句、ことわざ等を集めた『座右の銘』なる本が爆発的に売れているという。ご覧の通り、決して今風の装丁ではないうえに、620ページもある辞書のような分厚さにもかかわらず、すでに6刷目に突入。
版元の里文出版さんにお話を伺ってみたところ、昨年5月の発売以来、滋賀県でチェーン展開する『本のがんこ堂』という本屋さんや、東京の神保町に本店がある『三省堂書店』等の書店員さんによる売場でのプッシュからじわじわと火がつきはじめたという。
「『超訳 ニーチェの言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)のヒットがあり、“漢字ブーム”の次は“言葉ブーム”が来るのではないか? という読みから推していただいているようです」とのこと。4月中旬よりトーハンと共同で、「『座右の銘』大賞」という読者キャンペーンも開催中だそうだ。
個人的には「恋愛」のカテゴリーに気になるものがちらほらと……。「女にとって恋は生涯の歴史である。
男にとっては単なる挿話にすぎない」(スタール夫人)などのシニカルなものや、「恋をして恋を失ったほうが、一度も恋をしなかったよりもましである」(テニスン)など、失恋したときの心の支えとなりそうなものも!?
ほか、「死を思う」というカテゴリーにあった、鴨長明の「朝に死し、夕に生まるるならひ、ただ水の泡にぞ似たりける。知らず、生まれ死ぬる人、いづかたより来りて、いづかたへか去る」というのも達観した無常感が漂っていてシビれる。代表作『方丈記』からの一節で、このまま墓石に刻みたいシブさです。ちなみに、彼が35歳でこの世を去ったのはこれを書いた2カ月後だったのだとか。
というわけで、この『座右の銘』。他にも「理想への挑戦」「老いるということ」などさまざまなカテゴリーがあり、年齢によっても気になる言葉は変わってきそう。10年後、再びこの本を開いたときに自分はどんな言葉に魅かれているのか……そんな気持ちにさせられます。
(まめこ)
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