“フクイ”と名の付く恐竜たちがいるのをご存知ですか?

日本最大の恐竜化石発掘現場がある福井県。日本国内で発見されて、「新種」とされた恐竜は現在4体。
そのうち、3体までが福井県勝山市で発見されている。それぞれ、草食の鳥脚類「フクイサウルス」、肉食の獣脚類「フクイラプトル」、草食の竜脚類「フクイティタン」と“フクイ”の名を冠している。さらに、もう1種類、新しい恐竜が研究されているそうだ。でもどうして福井県ばかりで発見されるのだろう?

恐竜化石が発見されるためには、大きく3つの条件が必要なのだという。

1. 恐竜が生きていた時代の地層が分布していること
2. その地層が川や湖でたまった地層であること
3. その地層が地表に露出していること

「これら3つの条件が揃う場所では、恐竜化石が発見される可能性が非常に高くなります。例えば、国内では熊本県や兵庫県、そしてお隣の石川県でも数多くの恐竜化石が発見されています。ですので、福井県ばかりで発見されているわけではありません」と、福井県立恐竜博物館・研究員の柴田さん。

「ただし、多くの化石を発見するには継続した調査が必要です。福井県では約20年におよび、勝山市において恐竜化石調査を行っています。その長い調査で、積み上げられた成果が、日本産の3種類の恐竜であり、また、日本最大の恐竜産地として知られるようになった理由だと思います」

条件に合致した場所ということプラス、研究や発掘のための環境づくりを培って、積み上げてきたからこそ、今の発見に結びついているのだ。

では、「新種」と認められる定義はどのように決まっているのでしょうか?
「化石は現在生きている動物と異なり、生殖能力やDNAでの解析をすることができません。ですので、新種として認識されるためには、発見された化石(恐竜の場合だと歯や骨)に他の種類には無い特徴がある必要があります。
恐竜の場合、骨や歯の形状を比較し、新種かどうかの判別を行っていきます」

前回ご紹介した勝山市の『福井県立恐竜博物館』には、「福井県の恐竜」コーナーがあり、上記の「フクイサウルス」、「フクイラプトル」、「フクイティタン」、小型獣脚類ドロマエオサウルス類といった福井産4体の化石標本と復元骨格が展示されている(フクイティタンは骨化石のみ)。

今後の研究や発掘調査の成果がなんとも楽しみなところだ。今後、さらに“フクイ”と名の付く恐竜が登場するかもしれません。
(エキサイトニュース編集部)
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