ところで、結婚式などの引出物として主流となっている「カタログギフト」について、以前、珍妙な出来事があったのでご紹介したい。
ある商品を注文したところ、しばらくしてから「ご注文の商品は人気商品で品切れのため、入荷次第、お届けします」といった内容のハガキが到着した。
そのハガキを保管し、待ち続けること半年以上。何の連絡もないため、問い合わせの電話をすると、こんな返事があった。
「すでにお届け済みになっております」
「なっております」と言われても、現に届いていないので、それを伝えると、「確認して折り返します」という。
電話を待つこと数日。何の連絡もないため、再び問い合わせると「すでにお届け済みになっております」と言う。
問い合わせの記録すら残っていないことに驚いたが、ともかく、商品を届けてもらえるのかどうかは確認したい。
そこで、改めて確認してもらって連絡をもらうことになった。
ところが、翌日。何の連絡もなく、いきなりやってきたのは宅配便である。
「まさか……」と思い、開封すると、例の商品が入っていた。
明らかに倉庫に置いてあったものをただ宅配便会社の封筒に入れて、慌てて送った感じである。
これに対する連絡があるかと思って待ってみたが、何の連絡もない。
あまりにひどい対応に、再び問い合わせの電話をすると、電話口の女性が「申し訳ございません。伝えておきます」と言うだけである。
さすがに経緯だけでも知りたいと思い、担当者から電話をもらうことにしたのだが、担当者は「事情はよくわからない」、そして「お詫びとして何か希望の商品を……」と言う。
そこまでしてもらうのは申し訳ないとは思ったが、カタログを送るというので、とりあえずそれを待つことにした。
だが、2週間経っても到着しない。もういいか……とは思ったが、念のため連絡してみると、「まだ出してませんでした!」のひと言。
そして、翌日、新しいカタログが到着。注文ハガキを郵送して、これですべてが終わったかに見えた。
ところが……。
しばらくしてやってきたのは、商品ではなく、一枚のハガキ。そこにはこんな内容が書かれていた。
「ご注文の商品は人気商品で品切れのため、入荷次第、お届けします」
これにはもう笑うしかなかった。
信じられないが、これは実際にあったやりとりである。
私も自分がたいがいしつこいとは思うのだが、それにしても、この一連のやりとりは何だったのか。
カタログギフトの会社は多数あり、もちろん通常はどこの会社でもきちんとした配達が行われているもの。これはある会社の、それも異例中の異例の事態ではあるだろう。
ただし、「注文ハガキを送ったら、あとは待つだけ」ではなく、念のため、商品が到着するまではきちんと覚えておくこと、カタログ本体も手元に保管しておくことを、おススメします。
(田幸和歌子)