実は先日、昼間に下腹部~腰へのさしこむような痛みで近所の内科医を受診したものの、「しばらく様子見」となり、帰宅してから、夜中になって猛烈に痛み出したことがあった。
起きていても寝ていても、どんな体勢でも脂汗が出てくるほどの痛みだったため、近所で夜間診療をやっている病院をPCで探し、連絡したのだが、結果は……。
電話の受付で、症状を詳細に説明させられた挙句、「本日の夜間診療は外科の先生ですので、他の病院に行かれたほうが」「内科の先生はいるんですが、症状を伺う限り、消化器内科を受診されたほうが良いと思いますので、もしどうしても見つからなかったという場合には、もう一度こちらにご連絡ください」などと断られること、数軒。
その後、医療機関案内サービスに電話すると、案内してもらったのは、先に断られた数軒の病院だった。
そこで、それまでの経緯を説明したところ、「消防庁の救急病院案内」を教えてもらい、かけてみると、そこでもやはり先に断られている数軒の病院を案内された。
仕方なくこれまでの経緯を全て説明し、「とにかく少しでも早く診てくれるところを探したい」という旨を伝えると、自宅から少し離れた病院を案内してくれ、「消防庁に救急を勧められたと伝えるように」と救急病院案内の受付整理番号を教えてくれた。
そして、ようやく夜間診療してもらえる病院が見つかったのだが、最初の電話から受診可能な病院を見つけるまで30分以上! 自分の病状についてあまりに何軒・何人にも何度も説明しているため、まるで暗記した台本のようにスラスラ言えるほどになってしまっていた。
なんとかタクシーを拾って病院に行ったは良いが、今度は事故でのケガなど、外科的な患者さんが優先されるのは当然のことで、「ただ腹部が猛烈に痛い」程度で外傷などがない自分は最後の番に……。
結局、尿検査を勧められ、車いすでトイレの前に放置されること数十分、仕方なく自分で尿のカップを手にして、ドラマなどの見よう見まねで車いすを自らこいで診察室に戻ったという出来事があった。
このとき痛感したのは、日頃から急病のときの連絡先などを把握しておくことの重要さである。
もちろん呼吸停止・呼吸困難をはじめ、救急車を呼ぶ必要があるような症状の場合は、迷わず119番に連絡することが大切だが、そこまでの症状ではなく、かといって耐えられない苦痛がある場合もあるだろう。
そんなときは、「とりあえず近所の夜間診療に」と考える人は多いかもしれないが、「科が違う」などの理由で断られてしまう場合はけっこうあるもの。
「緊急時に、かかりつけ医に相談できる場合は、それが望ましい」と一般的に言われているが、相談できない場合には、最短ルートで受診できる「救急相談窓口」や「医療機関の番号案内」の連絡先を日ごろからメモしておくなどが重要かもしれません。
(田幸和歌子)