「女のおひとりさま」なんてのが流行ったのは、すでに数年前。
今では「一人で外食できない」という女性はそう多くないように思えるし、女性一人客がいる店をかなり見かけるようになっている。

だが、その一方で、男性にも「おひとりさまが苦手」という人たちがいることは、案外知られていない。

「男でそんな人いるの?」と思う向きもあるだろう。だが、男性でも「一人外食が苦手」という人、また、「一人だと行く店が限られてしまう」という人は意外といるようだ。
ある男性は言う。
「美味しいものや食べることは大好きだけど、一人で外食するとなると、結局、いろいろ迷ってマクドナルドとか牛丼屋、ラーメン屋、またはそば屋になってしまう」

また、次のような意見もあった。
「一人のときはいろいろ考えるのがめんどうだから、だいたい牛丼屋かラーメン屋」
「地方出張のときなど、美味しいものを食べたいのに、常連しかいない店もあって入りづらいし、一人で入る店に迷ってしまう」
「お酒を飲むのでなければ、男一人が行きやすい店って、結局、牛丼屋とかになる」
「一人だと間がもたないから、外で食べるより、ご飯を炊いたりパスタを茹でたり主食だけ自分で用意して、惣菜などを買って帰るほうが多い」
「エスニック系とか食べたくなっても、女の人がたくさんいるから、一人では行きづらい」

女性にも「一人外食が苦手、特に男の人ばかりがいる店は苦手」などという人がいるように、女性が多い店には一人で入りにくい男性がいるというのも、考えてみれば、至極当然のことかもしれない。


そんな「一人外食が苦手」な男性が「行きやすい」として挙げる店としては、以下の特徴が挙がった。
 ○カウンター&食券制の店
 ○セルフ式の店
 ○会計時に伝票を持っていけば良い店
 ○常連らしき人たちがあまりいない店
これらを満たす店は、マクドナルドなどのファストフード店、立ち食いそば、ラーメン屋、牛丼屋、カレー屋、定食屋、回転寿司など。
ちなみに、「ファミレス飲み」なるものが最近よく話題になっているけれど、「ファミレスには一人で行きにくい」という男性や、「一人で行きたいけど、行けないのが焼肉=一人客用の焼肉店が欲しい」などの声も。

「女性が一人で入りやすい店」は増えているし、「おひとりさまが好き」と言う女性も増えている。さらには、女性の場合、「“おひとりさまが好きと言える自分”が好き」というメンタルが後押ししてくれることもある。
だが、男性の一人外食の場合、どっぷり飲むのではければ、女性のように「優雅な気分で」などと楽しめる店は少ないかも。


実は女性よりも、案外男性のほうが「一人外食」のいろんなハードルが高いのかもしれません。
(田幸和歌子)