そして、それが露わになった。ワコールが「“日本女性の見過ごせない下着選び”と“バストケア”」に関する意識調査を実施し、4月に発表しているのだ。
これが、どうにも興味深い。まず、「ブラジャーを着ける時、着けている最中に思い当たること」という設問。
これに対し、23.3%の女性が「肩ひもが落ちてきてしまう」と回答している。他にも「動いている間にブラジャーがずれる」(10.5%)、「カップが浮いたり、カパカパする」(6.8%)と、悩み多き実態が浮き彫りとなった。何しろ「(不具合は)特にない」と答えた女性は、全体の16.3%に留まっているのだから。ということは、残りの女性(83.7%)は何らかの不具合を感じているのだ。知らなかった……。
次は、「ブラジャー購入時の採寸・試着頻度」についての質問を。なんと購入時、採寸も試着もしない女性は、全体の58.1%!
その理由についても「面倒だから」(37.2%)と、男前極まりない回答がブッちぎりでトップ。
だからこその、この設問。「普段使用しているブラジャーが、自分に合っていると思うか?」という問いには、「合っている(ジャストフィットしている)」と答えた人が全体の44.1%。
そこで、もう1つ突っ込んだデータも。購入時にブラジャーの採寸と試着をしている女性のみに限定して、集計結果を確認してみた。すると「ブラジャーはバストに合っている」と回答した女性は69.1%と半数以上。一方、採寸も試着もしない女性だけに限定すると、「合っている」と回答したのは35.7%。クッキリと明暗が分かれている……。
では、どんな人がキチンと採寸・試着をしているのだろうか? これも、データ化されている。結果、導き出された結論は「カップサイズが大きい人ほど、採寸・試着をする割合が高くなる」という現実。
調査によると、AA&Aカップの女性がバストの採寸・試着をする割合は3.5%。それに比べ、Cカップ女性が採寸・試着をする割合は15.0%。
では、続いては少し趣を変えたアンケートを。「バストが以前と比べて変化したと感じるか?」という質問である。これに対し、全体の82.7%が「変化した」と回答している。
その理由も様々で、「加齢」(48.2%)、「子どもへの授乳」(21.7%)、「体重の増減」(11.6%)、「出産」(8.2%)といった回答が挙げられている模様。
では、バストケアについてのアンケートを。バストケア経験のある女性を対象に「バストの形を維持するために実践したケア方法は?」という質問が実施された。結果、上位に挙がったのは「自分のバストに合ったブラジャーを着ける」(24.1%)、「大胸筋を鍛えるポーズ」(21.5%)、「正しい姿勢を保つ」(20.6%)といった回答たち。
しかし、ここで残念なお知らせが。実は、バストは筋肉がない組織。にも関わらず、バストケアとして「大胸筋を鍛えるポーズ」が上位に挙げられているのだ。効果は望めないだろう。
また、この設問に対する少数回答として「鶏の皮を食べる」「昆虫採集で思いっきり網を振る」「逆立ちする」「うつ伏せで寝ない」「ジャンプする」「口を閉じてイーする」といった、不思議な対策法も挙げられた……。これらも、やはり思い込みだ。
そして最後に、「ブラジャーを着用せずにどこまで出かけることができるか?」という設問が。結果、全体の15.2%の女性が「自宅から徒歩数分の範囲内(コンビニなど)」ならノーブラでも行けてしまうという。
以下、「自転車で行ける範囲(スーパーや近くの友人宅)」(5.8%)、「電車に乗って行ける範囲(ショッピング、通勤など)」(0.5%)、「どこまでも可能」(5.5%)と、全体の27.0%の女性が「ノーブラで外出が可能」と回答。
この結果に対し、ワコールは、
「普段の生活でバストの揺れをおさえるためには、自分のからだに合ったブラジャーを着用することが重要なのですが、ノーブラで外出することに抵抗感のない女性が4人に1人いるという結果からすると、バストの揺れを抑えるためにブラジャーを着用するという意識はそれほど浸透していないのかもしれません」
という見方を示している。
それにしても、どれも私の知らない世界。ただ、「加齢に伴って変化し続ける体にピッタリ合ったブラジャーの快適さを知っていただきたいと思います」(医学博士・間壁治子先生)という総括には、男の私も頷ける次第です。
(寺西ジャジューカ)