中には自分の思い入れオンリーで命名するパパやママもいれば、姓名判断を参考にする慎重派のご両親も多数。
どちらにせよ、「名前を付ける」という作業は重大だ。思えば、芸能界には改名した途端にブレイクを果たすタレントだっているし(例:三村マサカズ)。名前は、その人の未来や生き方を暗示しているのかもしれないな……。
そんな“名前”を紋章にしてくれるサービスが、今話題となっている。その名も『お名紋』。苗字を表す「家紋」じゃなくて、名前を表す「名紋」だ。
デザインは、非常にポップ。その人の「名前の文字」や「名前の由来」、「願い事」を反映して自身を象徴する“しるし”を作ってくれるという。
そこでこのようなサービスを始めたきっかけを、同サービスのデザイナーである藤田朝美さんに伺ってみた。
「私の先輩にお子さんが生まれた時、何かプレゼントを差し上げたいと思ったんです。しかし非常にご友人の多い人なので、他の方と被らない出産祝いが何かないか悩みました……」
そこで思い付いたのは、赤ちゃんの名前を活かしたもの。
そして、同サービスは2008年8月よりスタート。聞くところによると、『お名紋』は赤ん坊向けに限定している訳じゃないらしい。
「大人の方がご自身で利用されるケースも多く、お子様向けの場合と比較すると割合は半々くらいです」(藤田さん)
大人の場合は、本人が「こうなりたい!」と胸に抱く願望などをデザインに反映させる。タイミングとしては、結婚や離婚、転職、誕生日の際などのオーダーが多いようだ。
では、『お名紋』が出来上がるまでの流れをご説明したい。
まず、その人の名前に込められた意図や、ご本人の願い事などを藤田さんが質問していく。この作業、非常に重要なのである。
「『お名紋』では、円の中に漢字一文字を収めています。そうなると、例えば『真』という文字がすごく多くなるみたいです。そういう時でも、一人一人が全く異なるデザインにしたいので、その方ならではの個性が出てくるまで質問は何度もします(笑)」(藤田さん)
そしてデザインの方向性が決まったら、いよいよ作成に取り掛かる。
「お客様が満足されるまで、修正は何度でも受け付けております。目安としては1~2カ月なんですが、お客様によってはデザインが決定するまで半年プロジェクトになることもあるんですよ(笑)」(藤田さん)
ちなみに、この時点で修正依頼をしても料金は変わらないそうだ。
そうしてようやく完成した、世界に一つだけの『お名紋』。反響としては、どのようなものがあるのだろう。
「幼稚園くらいのお子さんも、それが自分の“しるし”であると理解するようです。すると、『お名紋』を書こうと練習することもあるとのことで、それを聞いた時が今までで一番感激しました」(藤田さん)
一方、大人からはこんな反響が。
「今まで自分の名前の由来がよく分からなかったような方から、『願い事を込めて紋章にしたら、自分の名前が好きになった』というお声をいただきました。この時も、すごく嬉しかったです」(藤田さん)
そんな『お名紋』の料金について。個人の場合は10,000円からとなっており、法人は50,000円~応相談で受け付けている。注文は、同サービスの専用サイトから。
また、『お名紋』を印鑑にしたり、Tシャツ等にプリントする「お名紋グッズ」なんてサービスも用意されているとのこと。
よく考えたら、“名前”はご両親からの最初の贈り物である。深い思い入れを持って、共に歩んでいきたい。
(寺西ジャジューカ)