妙に好きな香りって、ありません? 実は私、ガソリンの匂いがたまらなく好きなんです。あと、マジックのインクの匂いも好きかも。

この嗜好、意外と多くの人から同意を得られましてですね……。

そんな同志とは、この新サービスでコミュニケーションを図ると絆が深まるかもしれない。「着パフ株式会社」は、スマホで香りを送信する『着パフ』なるコミュニケーションサービスを今秋から展開予定だという。

利用法は簡単。まず『着パフ』の装置と香りのタンクを購入し、その2つを“香りを受け取る側”のスマートフォンに取り付ける。あとは“送り手側”が、無料アプリの「パフ」ボタンを押して送信。すると、メッセージと共に香りが「シューッ」と届けられるそうだ。
「スタッフ間で『携帯に足りないものって、何かな?』と会話をしていたのですが、その際の女性社員による『携帯で“匂い”は出せないですよね』という一言が全てのきっかけでした」(同社・前川さん)

ちなみに、“香り”の出し方について。パーソナルユースとしては上記の活用法が考えられるが、他にも様々なシチュエーションで『着パフ』は活躍しそうである。
例えば、イベントやコンサートとのコラボレーションが考えられる。会場の入り口でiPhoneユーザーに香りタンクを配布し、アプリもダウンロードしてもらう。そしてコンサートの良きタイミングで、ヴォーカリストがお客さんに自身の好きな香りを送信! こうすれば、好きな香りを会場中で共有できるわけだ。


他にも、色々と考えられる。
・ゲームアプリの特徴的なシーンで、その局面にふさわしい香りが放たれる
・観光スポットが“屋久杉”香りのタンクを旅行客にプレゼントし、リピーターになってもらう
・アイドルイベントで、アイドルの汗の臭いをタンクにして会場中で共有する
・ニュースレターと共に香りも送信する
「“たら、れば”はいくつも考えられますので、どことどう連携するかが大事になっていきます」(前川さん)

実は同社、『着パフ』の海外展開も視野に入れているようだ。
「バルセロナの展示会で出展したのですが、その際は7社から『いつ出るんだ!?』と質問を受けました」(前川さん)
思うに、海外では“香り”をファッションの一部と考えている国が多い。一方、日本は無臭文化。香りで体臭を隠す海外の方が、パーソナルユースとしての『着パフ』は相性が良いかもしれない。

しかし、携帯から放たれる“香り”は新鮮だった。私も実際に嗅がせていただいたのだが、これがもう初体験の驚きで! 「話す」、「聞く」、「書く」、「読む」くらいだった携帯電話に、新たに「嗅ぐ」という要素が加わったのです。
私だったら、親友に“ガソリンの香り”を送っちゃうな。
(寺西ジャジューカ)
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