復元東京駅開業ニュースで賑わっているが、東京駅ニュースが東欧ルーマニアにも! ルーマニアの首都ブカレストに「TOKYO」駅ができる。ブカレストの地下鉄は現在4本あり、5本目と6本目ができるのだが、その6号線プロジェクトが今年から始まっている。
その駅の名前に国際的な都市名が使われ、ひとつに「TOKYO」ができる予定なのだ。

現在のルーマニアの地下鉄事情、私は普通によく使うのだが、中にはあまり使いたくないという外国人もいる。地下鉄の駅のなんというか無機質さ、がらんとした巨大な空間、そして暗さ、旧共産圏の「におい」がよくするところのひとつが地下鉄なのだ。ここ数年電光掲示板も入ったり少しずつ明るくキレイになった駅もあるが、大半はまだまだ日本基準でいうと使いにくい雰囲気かもしれない。チケット売り場(※)の駅員さんが無愛想なのは今も変わらないし。
(※)地下鉄のチケットは、駅の改札付近のチケットブースにて購入。
カード式のものは機械でチャージする。

実はこちらのプロジェクトには日本の企業や政府も関わっており、2007年にEUに加盟したルーマニアに対する最後のODA案件とのこと。以降去年まで調査がされており、今年から2017年完成予定の長いプロジェクトだ。今回地下鉄そのものはもちろん、駅の設計・デザインにも力が入れられており、特に駅の設計ではユニバーサルデザイン、誰にでも優しく使いやすい駅になるよう計画されているらしい。欧米に比べると日本も身障者マークが少ないと指摘されるが、ルーマニアではこの面はまだまだ!地下鉄に限らず鉄道駅もだが、ホーム間移動に階段しかないことがほとんどで、その階段も薄暗く手すりも心もとなかったり、かつ足元も凸凹だったり。健康な私でさえ気を使うことも多いのだから身障者や子連れには使いにくい。
それでもラテンの国だから、皆親切で荷物を運ぶのを手伝ってくれたり、席を譲り合ったり、わざわざ表示しなくてもなんとかうまくはいっている。

それでも少しずつ観光客も増えてきているルーマニア。やはり皆が気持ちよく使える駅になったらとても嬉しい! と、この6号線に色々期待しているのが、現在のプロジェクトではブカレストの空港から市内中心(1Mai駅)までが接続されるとのこと。そこからあと3駅先に行けば国内各地・隣国にもいける鉄道駅(Gara de Nord駅)。できればそこまで頑張って繋げて欲しかった!
そうすればものすごく便利になる、せっかくの一大プロジェクトなのに!と現地の友人に話したら「今までよりずっと便利になるんだからいいじゃない」と前向きな答え。そうよね、ついつい完璧を求めてしまうけれど、どこか足りない、というのが現在のルーマニア。
現在空港から市内までの移動手段がタクシーか、あまり使いやすいとは言えない公共バスしかないのだから、それに比べたら大きな進歩だ。

しかし色々聞いてみると「いつかは」ちゃんと鉄道駅まで繋がる予定だとか。ルーマニアでのいつかは実にあてにならないが(笑)。日本のODAが関わっているからここは確実、信頼して待とう! 明るく皆が使いやすいルーマニアのTOKYO駅、きっとそれがきっかけでルーマニアを知る日本人も増えるかな、楽しみだ。
(川上・L・れい子)