高齢化社会の日本にも元気なお年寄りは増えているが、世界にはもっと上を行くエリアがある。

それが、中国の広西チワン族自治区巴馬(バーマ)県。
100歳を超えても健康な人々が多く暮らし、世界5大長寿村のひとつでもある。100歳以上の人数は、人口比なら世界一。不老神仙の里として知られ、多くの人が巴馬参りに訪れているほど。

さらに、チワン族の女性には整った目鼻立ちを持つ色白の美女が多いのも特徴。紫外線の強い亜熱帯に属するのにもかかわらず、である。

なぜ、なのか?

先日、巴馬で採れる麻の実を使ったヘンプシードオイル「オメガポイント」を発売した株式会社グローリー・インターナショナルがメディア発表会を開催。
実際に長寿村に4回も足を運んだという社長の藤本健さんが、巴馬の女性たちの美と長寿の秘密を教えてくれた。

まず特筆すべきは、その自然環境。ベトナムに接し、自然豊かな地は、石灰岩から成るカルスト台地でミネラルも豊富。
「空気もよく、水もよいので栄養価の高い作物が育つんです」
村の生活は基本的に自給自足。病院もないが、実際に医者いらずな人がほとんどだという。

さらに食生活にも特徴がある。
ひとつは「五低二高」。“五低”とは、低カロリー、低脂肪、低動物性たんぱく、低塩、低糖類。“二高”とは、高炭水化物、そして高食物繊維のこと。

もうひとつは、「五多五小」。具体的には以下の5つだ。
(1)たくさんの種類を食べ、単体食は少ない
(2)消化のよい粥ものでかたいものは食べない
(3)植物油が多く、動物性脂肪が少ない
(4)量を多く食べずに少食であること
(5)味が薄い食事が多く、塩が少ないこと

こうした要因が複合的に作用して、村の人々の美と長寿を支えているわけだが、同社ではその中でも麻の実に着目。
麻の実といえば、マシニン(麻子仁)と呼ばれる漢方薬の原料であり、医食同源の代表的な食材のひとつ。現地の調査研究によれば、巴馬の長寿者はこの麻の実を1日45g、年間15~20kgも常食しているという。

もしかすると、油イコール肥満の原因、というイメージがあるかもしれないが、油は細胞膜や皮脂の元にもなっているし、心臓のエネルギー源も油。
「実は脳の約65%も油で、脳のシナプスに油は不可欠。良質の油を摂ることが気分や嗜好、記憶などにも好影響を及ぼすといわれています」
と藤本さん。栄養はすべてバランスが大事だと強調する。


同社では約3年かけて、巴馬の岩場に自生する麻の実を使った火麻油「オメガポイント」を開発。
「中国のほかの地域よりも実は小さいのですが、栄養価が高いのが特徴です」
もともと火麻油は必須脂肪酸であるオメガ3とオメガ6を理想的なバランスで含み、ビタミンEも豊富。「オメガポイント」は、7月中旬から、医療機関やエステサロン、治療院などでカウンセリング販売されている。

日本から巴馬へのアクセスは、飛行機を2回乗り継ぎ、さらに最寄りの空港からも200km以上の距離がある。まさに秘境といえる場所にあり、気軽に訪れるのは難しいが、彼らの食生活などは日本にいても真似できることも少なくない。興味があれば参考にしてみては。

(古屋江美子)