最近、雑誌やテレビでよく耳にする酵素。ダイエット目的で酵素を摂っている人も多く、なんとなくヘルシーなイメージはあるものの、実は太るものもある、だとか、腐るものもある、だとかいろいろなウワサが。
しかしその前に酵素って、そもそも何なの?!と思っている人も多いのでは?

酵素とは、分かりやすくいうと、体が毎日動いていくために欠かせないもの。食べ物を消化・吸収したり、吸収した栄養分を体内で運んだり、いらないものを体外に出したりという、人間のあらゆる活動には酵素が欠かせない。酵素がなければ他の栄養素もうまく働いてくれないので、酵素不足は体調不良につながり、さまざまな病気の原因にもなる。

しかし残念ながら、体内にある酵素は年齢とともに減ってしまう。さらに、添加物などが多い現代人の食生活では、酵素はたくさん消費され、不足しがち。

酵素は、野菜・果物・肉・魚・発酵食品など身近な食べ物にも多く含まれているが、食品だけで必要な酵素を補うにはかなりの量が必要なので、もっと手軽に酵素を!という要望も高まり、手軽な「酵素ドリンク」が流行る、という流れだ。 
酵素ドリンクは野菜や果物などを発酵・熟成させたエキスを含む発酵飲料で、腸内環境を整え、健康や美容への効果が期待できるといわれている。個人差はあるが、飲み始めてすぐ体調が変わったと感じる人も多いようだ。

酵素に関する疑問その1:どのくらいの金額が妥当なの?
最近はネットでもいろいろな酵素ドリンクが販売されており、種類がありすぎて悩んでしまうほど。価格ひとつとっても、1本数千円のリーズナブルなものから、1本1万円を超す高級モノまで、ワインのごとく幅がある。

いったい、なぜ、ここまで価格に差があるのか? 大きな理由は、原料や製法の違い。ひとくちに酵素ドリンクといっても、野菜や果物をたっぷり使ったものから、野草をメインにしたものまで、実にさまざま。
ほとんどの酵素ドリンクが何十種類もの原料を使っていることをウリにしているが、値段の違いは純度、つまり効能の違いである。

その2:ジュース感覚で飲めばいいの?
ちょっと調べてみただけでも、完全無添加を謳うものもある一方で、香料や甘味料、保存料などを使っているものも結構あった。
添加物やシロップを加えれば、ジュース感覚で飲みやすく、価格を抑えられるなどのメリットはあるが、肝心な酵素の割合は減る。なかには原料は多数書かれていても、その量が全体の5%程度にすぎない商品もあるようだ。更に言うと、シロップなど高カロリーのものが入ると当然ダイエットには不向きとなる…。

その3:結局、どの酵素を飲めばいいの?
ここまで書いて来たように、酵素ドリンクには色々と種類があり価格もさまざま。酵素ドリンクを選ぶ際には、つい価格的なものや話題性で選んでしまいがちだが、それよりも添加物や保存料・着色料が入っていないものをお勧めしたい。最近では着色料を含んだ酵素ドリンクも多く出回ってきているようだ。添加物や保存料、人口甘味料、着色料は、体内にある大切な酵素を過剰に消費してしまい、酵素の消化活動も抑制。また、人口甘味料を毎日摂取する事で、体に負担がかかり、やがて影響が出る事も。酵素を補充するための酵素ドリンクで体内酵素の活動が抑制されてしまっては意味がない。

値段が高いものは、やはり原料にこだわりが強い商品が多い。
たとえば、知人が飲んでいるという「酵素八十八選」という酵素は、1本15,750円と高額。ワインでいうなら、特別な記念日に飲むような贅沢品なのだが、知人を含め、長く続けているリピーターが多いという。60種類以上の野草をメインに、野菜・果実・海草・きのこ類など厳選材料を使用。添加物や保存料はもちろん、残留農薬なども一切含まれておらず、赤ちゃんでも飲めるほど。添加物が多いと本来腐るはずがない酵素が腐る可能性もあるらしい。

■カラダのために飲むのなら…?
ワインとは違い、単純に味だけで良し悪しを決められない酵素ドリンク。健康や美容への効果を期待するのであれば、成分表示もしっかりチェックしておきたい。

・スクラロース、ネオテームなどの人口甘味料
・カラメル色素などの着色料
・安息香酸ナトリウムなどの保存料
こうしたものが含まれていないかどうか、購入する前に必ず確認されることをお勧め。

もちろん、酵素ドリンクを飲むだけではなく、トータル的に食生活や生活習慣を変えることが健康への近道であることもお忘れなく!
(古屋江美子)
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