漠然と「小さいパソコンが欲しい」と思っている人へ。そもそも、その小ささのメリットは何だろうか。
筆者も含め日頃から考えている人はそう多くないだろう。そこで、今回は4月に発売となった超小型デスクトップPC「LIVA MINI PC KIT」(ドスパラ販売)を例にいくつか使い道を挙げてみたい。

まず、このPCの118×70×56ミリというサイズに驚きだ。上から見ると、スマホよりちょっと大きいくらいで、厚みは弁当箱くらいといった感じ。電源を入れても、冷却ファンやハードディスクがないため、音はまったくしない。パソコンなのにこんなに小さくて静かとは……。

モバイルPCやタブレットではないので、使用するには、これにモニターとキーボードとマウス、そして電源をつなぐ必要がある。

さて、ここで使い道のひとつを思いついた。それは、外出先での使用だ。「携帯可能なデスクトップPC」なんてあまり聞いたことがないだろうが、同製品なら可能だ。
この大きさならカバンに入れて持ち運べるので、あとは仕事先や友人宅にあるPCのモニターとキーボード、マウスにつなげばいいわけ。また、Wi-Fi、Bluetoothといった規格に対応しているので、インターネットと各種機器にワイヤレスコネクトもできる。

「ノートPCをもっていけばいいじゃん」と突っ込まれそうだが、もちろんそれでもいい。だが、「LIVA MINI PC KIT」のほうが一般的なノートより小さくて軽く、モニターとキーボード、マウスが外出先にあることが確実なら、これで十分なのだ。

それから、2つ目の使い道は、サブのPCとしての使用。デスクの隙間にチョコンと置いて、メインマシンと併用する。これは誰しも考えることだが、あえて提案したのは、Linuxの活用だ。メインマシンはたいていWindowsかMacだろう。
それにサブとしてLinuxを加えることで、セキュリティ上のリスク分散が図れる。「LIVA MINI PC KIT」ではWindows 8.1のほか、「Ubuntu 14.04 64bit版」が動作する(ただし、Wi-Fi/Bluetooth対応ドライバーなし)。Ubuntuは無料OSなので手軽に使用できる。いろいろ便利な独自アプリもそろっており、実際使ってみると「意外といいじゃないか」というのが筆者の感想だ。もちろんWindowsほどの互換性はないので、併用が望ましいだろう。

3つ目は、リビングPCとしての使用。
デジタルテレビの近くに設置して、VGA(D-Sub)ポートでテレビを接続しておき、さらにインターネットにつなげば、番組の合間にネットコンテンツをテレビの大画面で見られる。気になることを検索したいと思ったとき、すぐにテレビ画面でネットサーフィンができるというのは、テレビをよく見る人にはちょうどいい使い方だ。

それから、番外編として、トイレへの設置はどうだろう。タッチパネル式モニターをドアの壁に掛け、「LIVA」はトイレットペーパーのストックしてある棚にでも置けばいい。OSがWindows 8.1なら、トイレでもタッチ操作でなんでもできそうである。「いろいろ考え事をすることが多いトイレの中だからこそ、PCが必要」と思うのは筆者だけであろうか。


以上、いくつか考えてみた。気に入ったものがあったら、ぜひ試してみてほしい。
(羽石竜示)