ところが最近、「あのパタゴニアが海に洗剤を流すことを奨めている」という聞き捨てならない噂をキャッチ。
筆者にとってパタゴニアはカッコ良くてクールな存在。高校生のとき従兄弟が着ていた憧れの服、高校生には値段も高くてとてもじゃないけど買えない、そして地球にも優しいと評判のブランド。そんなパタゴニアが洗剤を海に!? と耳を疑い、真相を探るべくパタゴニアの鎌倉店に突撃してきた。
■パタゴニアが海に洗剤を流すことを推奨!?
筆者「洗剤を海に流すことを奨めていると聞いたのですが本当ですか?」
ストアマネージャー嶋田さん「はい、最近は海に流すことを奨めています」
なんですと!? 噂は本当だった! ショックを受ける筆者に嶋田さんは続けた。
嶋田さん「ただしこの洗剤なら、ですけどね」
といって嶋田さんが見せてくれたのが、海をきれいにする洗剤こと『All things in Nature』。これで洗濯をして出た汚水は、なんと海の汚れ成分を分解してくれるというのだ。しかもその分解度は100%!
あのパタゴニアがすすんで環境汚染なんてするわけないのだと安心。気になる『All things in Nature』洗剤について詳しく聞いてみることに。
■パタゴニアとこの洗剤のポテンシャル
パタゴニア鎌倉店と『All things in Nature』の出会いは3年前。
店舗で扱うことを決めた最終的な理由は、環境によく、そして性能もいいから。
さらに『All things in Nature』には、防腐剤が入っていない。通常の洗剤に入っている防腐剤の代わりにエッセンシャルオイル(洗剤にはほとんど見ない!)を使用しているのだ。また、少量でしっかり汚れが落ちるため、すずき1回でOKなのも嬉しいポイント。環境に優しい要素ばかりだ。
海が日常にある鎌倉という土地で、海をキレイにして環境に優しいこの洗剤を扱わない理由はない! そんな思いがあり店舗『All things in Nature』が置かれるように。
■海をきれいにするだけじゃない! 柔軟剤も漂白剤もいらない!
さて肝心のこの洗剤、汚れ分解100%だけではなく、柔軟剤や漂白剤もいらないというから驚きだ。ニットなどもこの洗剤で洗って問題ないそう。梅雨時期の部屋干しでも、『All things in Nature』を使ってからいやなニオイがしなくなった、という声もたくさん来るとのこと。
「もう販売を開始して3年強になりますが、使った方はほとんどリピーターになっていただいています。詰め替え用の商品が一番よく売れますね」と嶋田さん。
お店で働かれているアウトリガーカヌーの選手、神部さんもこの洗剤の大ファンだそうで、「普段毎日海と接していると、その日によって表情を変えるんです」とのこと。汚くなっている日を見るととてもやるせない気持ちになるので、なにか自分でも出来ることはないか、と常日頃から思っていたときにこの洗剤に出会い、環境への配慮と機能性のトリコになったらしい。もう、この洗剤ナシでは生活できません! と笑顔で閉めてくれた。
神部さんだけでなく他店舗で働く他のショップスタッフさんたちの間にも、この洗剤のファンがたくさんいる。みなさん共通して口にされるのが「一回使ったらヤミツキ、この洗剤ナシでは生活が出来ません!」。一度使うとこの洗剤を他の人もオススメしたくなってしまうのが、この洗剤のすごいところなのだ。
■やはり海への想いは人一倍
パタゴニア鎌倉店がこの洗剤の取り扱い始めた一つの要素が「海への優しさ」。実はその他にも要因が。
この『All things in nature』、売上の一部が「ビーチマネー活動」の資金になる。ビーチマネーとは、ビーチグラスを、特定のお店に持っていくと特典が受けられる活動のこと。ビーチグラスとは、海岸で見つかるガラス片が経年変化したもののことで、海はこのビーチグラスのような人工物がなくなった時、本来の姿を取り戻す。
パダゴニアでは、鎌倉店をはじめ、横浜・関内店、ベイサイドマリー店などもビーチマネーがはじまった2007頃から、ビーチマネーショップとして参加しているそうだ。
お話を伺って、海への人一倍強い思いを感じ、お店として取り組まれている内容にも素晴らしいの一言。
「1人の100歩より、100人の1歩。私たちはそれを大切にしています」(嶋田さん)
地道な活動こそが世の中を変える、と信じているそうだ。
「そういった行動ををきちんと喚起できるように、ひとつひとつの活動ストーリーを持たせることが大事なんです」(嶋田さん)
実際、この洗剤の販売やビーチマネーの取り組みに関してお客様からも「パタゴニアさんらしくていい活動だね!」「知り合いにも奨めています!」といったいい反響を呼んでいるそうで、この活動があるから、他のお店ではなくパタゴニアで買い物をしていると言ってくださるお客様も多いそう。
なるほど、と納得しながら筆者も 『All things in Nature』 を買って帰った。
まずは私も、1歩から。