マダニの危険性は以前から散々言われているが、それでも「所詮“ダニ”でしょ」という人も少なくない。しかし、最近Twitter上でマダニに噛まれた人の体験談が拡散され、その恐ろしさに考えを改める人が続出している。

マダニに噛まれたら注意! 絶対にやってはいけないこと


マダニはだいたい0.3センチほどの大きさしかなく、もし噛まれたら“ひょい”と手で取ってしまいたくなるが、それだけは絶対にしてはいけない。


マダニに噛まれた体験者が「なんか体にでかいゴマ見たいのがあってそれに手足がついててウネウネ動いてます。それ抜くとヤバイらしいので医者にいきます。医者に行くと周りの肉ごと剃り落とされます。助かります」とツイートしているように、マダニに噛まれたら、そのままにして医者にいかなければならない。

下手に力任せに引き抜こうものなら、マダニの牙が体に残り、一生ものの傷として残ってしまったり、マダニの体液が体に流れ込んでしまう恐れがあるのだ。また、マダニは病原菌を持っていることがあり、それが原因で”重症熱性血小板減少症候群(SFTS)”になることも。これは致死率が3割もある恐ろしい感染症だ。

厚生労働省のツイートによると、森林や草むら、ヤブなどにマダニは多く生息。農作業やレジャーのときには注意が必要だ。予防策は「長袖、長ズボン、靴、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻くなど肌の露出を減らしましょう。また、シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れると効果的。サンダルなどはNG」という。もしマダニに噛まれた場合は、「無理に引き抜かずそのまま医療機関(皮膚科)で処置を受けましょう。また、数週間後、発熱などの症状が現れたら、医療機関を受診しましょう」と呼びかけている。

病院での治療


前述のTwitterユーザーは手術の時の様子を「マダニ除去手術の際は部分麻酔科なので意識残ってたんですが、担当医師がマダニ初だったらしく、辞書みたいの片手に自分の腹の肉を削いでて人生最高にスリリングな体験でした」「牙が良く刺さっている時はダニと一緒に刺された部位の肉をケバブみたいに削いで切り落とします」と書いていた。医者の腕前はともかく、たった0.3センチほどの虫に噛まれただけで、麻酔を打っての手術になることを知りTwitterは恐怖であふれかえった。

8月16日にも北海道で、マダニに噛まれた40代の男性が「ダニ媒介性脳炎」を発症して死亡したというニュースがあった。春から秋にかけての暖かいシーズンに活動が活発になると言われているマダニ。山や草むらに入るときには細心の注意を払って、もし噛まれた後も適切な対処をするように心がけよう。

画像出典:John Tann / Non-stop Tick (from Flickr, CC BY 2.0)