沖縄で「天国」と呼ばれる浜辺のカレー屋「食堂かりか」

先日、久々に沖縄に行ってきた。どんな場所に旅に出ても普段の自分の暮らす場所との違いが面白く、それがまた自分の日常を見つめ直すきっかけになったりするものだが、沖縄の自然や文化の独自性は際立っていて、それこそ空港から外に出た瞬間の気温の違いにはじまり、目に映る様々なものが終始魅力的で見飽きることがない。


沖縄のファミリーマートでしか販売されていない「泡盛コーヒー」の美味しさに感動し、那覇市内に3店舗を構える牛丼チェーンの「どん亭」で沖縄そばを食べるだけで大満足という私は、かなり感動のハードルが低めな方かもしれないのだが、今回は自信を持って誰にでもおすすめできる天国のような場所「食堂かりか」を紹介したい。

「食堂かりか」は、沖縄県南城市の「新原(みーばる)ビーチ」近くにあるネパール料理店。砂浜にテーブルとベンチが置かれ、青い海を目の前にしながら食事ができるという店である。

実は昨年沖縄に行った際に、「みんなが天国が呼んでる場所がある」と、地元の知り合いが車に乗せて連れて行ってくれたのだが、その時は夜遅い時間に出発したこともあり、残念ながらすでに店は閉まっており、ビーチは真っ暗という状況であった。今回、ようやく念願がかなった形だ。

私はレンタカーを借りて行ったのだが、ゆいレール「旭橋駅」近くの「那覇バスターミナル」から「百名線」という路線バスに乗って行くこともできる。
那覇市街地から「新原」まで40~50分ほど。


沖縄南部の青い海が目の前に


駐車場に車を止めてビーチの方へ進んでいくと、「食堂かりか」の看板がかけられた岩と岩の隙間から青い海と白い砂浜が見えてくる。
沖縄で「天国」と呼ばれる浜辺のカレー屋「食堂かりか」

「食堂かりか」のテーブルが見えた。目の前は海だ。
沖縄で「天国」と呼ばれる浜辺のカレー屋「食堂かりか」

海と反対側にお店の建物があり、そこでオーダーをして、でき上がり次第、席まで料理を運んでもらえるスタイル。
沖縄で「天国」と呼ばれる浜辺のカレー屋「食堂かりか」

メニューには、「チキンカレー」、「豆カレー」、「キーマカレー」、「ポークカレー」、「ほうれん草&エビカレー」、「マトンカレー」といったカレーと、「サモサ」やネパールの蒸し餃子である「モモ」などのサイドディッシュが並ぶ。ドリンク類はチャイやラッシーのほか、アルコールも取り揃い、「オリオン生ビール」、泡盛、ワイン、ラム、カクテルなどを飲むことができる。


「チキンカレー」と「オリオン生ビール」を注文し、カレーができあがるまで海を眺めながらビールを飲む。
沖縄で「天国」と呼ばれる浜辺のカレー屋「食堂かりか」

うーむ、天国。2匹の犬を連れてやってきたご家族にお話を聞くと「近くに住んでるんですけど、今日初めて来ました。なんで今まで来なかったんでしょうね。こんなに良いところがあるんですね」と言う。「新原ビーチ」は、およそ2キロほど続く砂浜のある自然のままのビーチだが、沖縄の海水浴場というと中北部方面に人気が集まっており、南部の新原はどちらかというと穴場のようだ。


そうこうしているうちに「チキンカレー」が運ばれてきた。
沖縄で「天国」と呼ばれる浜辺のカレー屋「食堂かりか」

スパイスの風味は濃厚だけど辛さはそれほど強くなく、スイスイ食べられる。ゴロッと入ったチキンは言うまでもなく柔らかく旨みたっぷりです。
沖縄で「天国」と呼ばれる浜辺のカレー屋「食堂かりか」

ちなみにこちらは、同行の友人が頼んだ「かりかスペシャル」のサラダとラッシー。
沖縄で「天国」と呼ばれる浜辺のカレー屋「食堂かりか」

「かりかスペシャル」は、おまかせのカレー2種類とサラダとチャイかラッシーどちらかのついたセット。この日のおまかせカレーは、「豆カレー」と「チキンカレー」。
みんなで「いやーうまい!」、「最高!」とはしゃぎつつ、あっという間にペロリといただいた。

お店側からテーブル席を眺めたり、
沖縄で「天国」と呼ばれる浜辺のカレー屋「食堂かりか」

海側からお店の方を眺めたりすると、改めてこんな素晴らしいロケーションってあるだろうかと思う。
沖縄で「天国」と呼ばれる浜辺のカレー屋「食堂かりか」

海に入って泳ぐ友人たちを眺めながら泡盛「多良川」の水割りを飲んでぼーっとするひととき。贅沢でゆるやかな時間である。
沖縄で「天国」と呼ばれる浜辺のカレー屋「食堂かりか」



ネパール出身のシェフが沖縄県産の食材にこだわって調理


お店の方に話を伺うと、「食堂かりか」がオープンしたのは4年ほど前のこと。ネパール出身のシェフ・ジェシーさんを中心に、数名のスタッフでこの場所にお店を建てた。
こんな素晴らしい場所にお店を構えた理由は、「たまたま良いタイミングでこの場所が見つかったから」だとのこと。ネパールから取り寄せたスパイス等を使い、本場の味わいを残しつつ、沖縄県産の食材にこだわって調理している。その美味しい料理が評判を呼び、今年の1月には南城市玉城富里に2号店となる「Lekhali Kalika(レカリ カリカ)」がオープン。こちらは築100年にもなる古民家を改装したスペースで、ネパールの定食である「ダルバート」を中心に提供しているとのことだ。

ぼーっと海を眺めていると、真っ白い猫が近くまでやってきた。「食堂かりか」の猫ではなく、ご近所の飼い猫らしいのだが、その猫がベンチに座ってゴロゴロしている様を見ながら、友人たちと「こんなところで飼われる猫、幸せだろうねぇ。
いいなー。ここの猫になりたい」と話した。
沖縄で「天国」と呼ばれる浜辺のカレー屋「食堂かりか」

「カリカ」はインドの女神を意味する言葉。目の前の青い海を眺めながらぼーっとしているとなんだか神様に感謝したくなるのだった。
(スズキナオ)

施設情報:「食堂かりか」
公式ブログ:http://okkalika.exblog.jp/
住所:沖縄県南城市玉城百名1360
開館時間:5月~10月 10:00~20:00(火曜は16:00まで)
     11月~4月 10:00~17:30(火曜は定休)
定休日:台風と大雨の日