現在33歳、これまで特に必要性を感じなかったので生命保険には加入していない筆者。ところが先日の健康診断の結果が思わしくなかった。
体重増加、血圧の上昇、血中脂質の高値など、去年に比べて軒並み数値が高まっていたのだ。

遅くまで飲めば翌日はつらいし、食べれば食べただけ太ってしまう。20代の頃と比べて確実に変化しつつある身体だったが、みんなそんなものだろうと思ってあえて放っておいた。でも、目の前に並ぶ数字はたしかにヤバく、ベルトの穴にも余りが無い。ついに周りからは病気を心配される始末。

「先輩も急な病気で入院したんだから気をつけないとダメだよ」

たしかに。
ほとんど何の前兆もなく倒れた先輩が2ヶ月ほど入院したのはつい最近の話だ。そんなきっかけもあって30代が注意すべき病気について色々と調べてみると、浮かび上がってくるのは「生活習慣病」。30代のうち「生活習慣病による死亡率は自殺、事故に次いで第2位※1」で、患者数も年々増加していたのだ。50代からが危ないというイメージを抱いていた筆者だったが、ずいぶん身近なリスクだった。

ところで生活習慣病とは、がん、脳血管疾患、心臓病の日本人の3大死因と、これに糖尿病や脂質異常症が加わった病気の総称。不健全な生活サイクルが引き金となって高血圧や肥満を発症すると、生活習慣病にかかる率もグンと上がるというから筆者も耳の痛い話だ。
なかでもここ数年、特に増えているのは糖尿病で、日本国内の成人の糖尿病人口は710万人と推定されているという※2。

これもまた調べて分かったことだが、この生活習慣病、いざかかってしまうと思った以上にお金の負担が増えてくる。たとえば日本人の2人に1人がかかると言われているがんのケース。がんは日本人の死因第1位※3で、再発や転移をくりかえす病気だ。そのため治療も長引くことが多く、入院費や治療費の支払いがしばらく続く。

その間、病気前のようにバリバリ働きながら治療をするのは難しいので、所得も減ってしまう。
一方で生活費はこれまでと変わらないどころか、急な出費もかさむなど、ますますふくらんでくるのだ。筆者の先輩が入院生活で苦労したのもココだった。

「俺の場合、入院費や治療費そのものは高額療養費制度を利用して医療費の支給を受けたから大きな負担にはならなかった。だけどいざ入院するとなるとまずは色んな準備が必要になるんだよね。衣類や洗面用具のような身の回り品を揃えるのに2~3万くらいはすぐになくなったよ。それと、実家から近い静岡の病院に入ったから、都内と病院を往復する交通費もバカにならなかった。
3回往復すればそれだけで3万円、退院してからも定期的な通院は続くからね」

準備にかかる費用に2~3万が消えた先輩。ところが出費はそれだけに終わらない。

「入院していても、生活費っていうのは悪い意味でそんなに変わらないんだ。アパート代、駐車場代、ネット代に携帯代。月々の決まりきった出費は、俺が病気で寝ていようがおかまいなく発生するからさ。12~3万が消えるよね。
あと、差額ベッド代がなかなかの負担になった。大部屋がイヤで個室にしてもらってたんだけど、俺の場合だいたい1日あたり5000円くらいかかったんだ。2ヶ月の入院だったから、それだけで50万以上かかったかな。細かい出費を数えていけばキリがなくて、貯金もドンドンなくなった。健康保険や高額療養費制度があるから大丈夫っていう思いが甘かったな。さいわい先進医療にはかからなかったけど、健康保険は先進医療が対象外だったから、もし請求されていたら……、怖いね」

先輩の話す「先進医療」とは、健康保険などの公的医療保険の適用外になってしまう高度な医療技術のこと。
代表的なものに陽子線治療や重粒子線治療があるが、その費用はとても高額で数百万に及ぶこともある。いったん病気になってしまうと、周辺費用をはじめ、先進医療のようなとても貯蓄だけではまかなえないような出費も発生し得るというわけだ。

そういった公的医療保険だけではまかないきれない出費をフォローするのが民間の生命保険だが、実際に生命保険会社各社が様々な商品を扱っていて、Web上でも入院費用・治療費以外のコストをはじめとした関連データをいくつか掲載している。
ご存知ですか?医療の現状 ※メディケア生命保険株式会社)
保険外併用療養費 ※全国健康保険協会)

例えば上記のデータを掲載しているメディケア生命保険の『メディフィットA』という商品は前述の先進医療にかかる費用を通算2,000万円まで保障する先進医療特約をはじめ、さまざまな給付金で健康保険・高額療養費制度だけではまかなえない費用をフォローできる保険商品となっている。各社ごとに月々の保険料や保障内容は異なる為、年齢や家族構成等を鑑みて自身にあった保険を選択することが重要なのだろう。かくいう筆者も先輩の話を聞き、今更ながらじっくりと検討しているところである。

何よりも健康な生活サイクルを作って病気にかからないよう体調管理に気を配ることがいちばん大切ではあるけれども、万が一病気にかかってしまった時のこともきちんと想定して、生命保険に加入することで金銭的なリスクをなくす。30代という働き盛りな年代だからこそ、身体と金銭の両面から病気にそなえておきたいところだ。
(エキサイトニュース編集部)

※1 厚生労働省 死因順位別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率
※2 国際糖尿病連合「糖尿病アトラス」2012年出典
※3 厚生労働省 平成24年 人口動態統計月報年計(概数)の概況 P10,11参照