中国では2015年が第12次五カ年計画の最終年だ。記事は、すでに東側路線が完成していた海南島環状高速鉄道の西側路線が12月30日に開業すると指摘し、中国国内では26日からのわずか3、4日で、鉄道5路線が開業したとして、第12次五加権計画の鉄道建設が、成功を収めたと論じた。
中国政府・交通運輸部の楊伝堂部長も12月28日、第12次五カ年計画における鉄道インフラ建設への投資は、過去の五カ年計画期間中で最多の3兆5000億元(約64兆円)に達したと説明したという。
記事はその上で、高額投資の背景には無視できない問題点があると指摘。中国工程院の王夢恕院士は「中鉄総の(下請けの)建設企業への未払い金は2500億元以上に達している」と論じ、債務圧力が極めて大きいと主張したという。
中鉄総はいわゆる、中国の中央国有企業だ。
王院士は「第13次五カ年計画中にも、鉄道建設への投資は高止まりで進むだろう。問題は、どのようにして資金集めをするかだ。国家は考えねばならない」と述べた。
王院士は、中鉄総の資金不足のため、中国国内の(高速)鉄道建設は、1キロメートル当たりの費用が現在、橋梁やトンネルが部分が85%以上あるのに1億2000万元(1億元=約18億3000万円)程度に圧縮されていると指摘。
一方、インドネシアでの高速鉄道建設は、橋梁やトンネルが少ないにもかかわらず、1キロメートルあたり1.8億元。また、中国とロシアを結ぶ高速鉄道はについて同社は1キロメートル当たり2.5億元の見積もりを出しているという。
王院士は「国内における鉄道建設では全く儲からない。さらに自分が補填せねばならないとしたら、建設会社はどうやって生き延びるのか」と、中国国内における鉄道建設の不採算体質を指摘した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)孟 香濱/123RF.COM)
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