「ありのままで」が流行語になりそうなのは、人は誰でも「ありのままの姿」になりたいからだと思っています(えっ、違います?)。ストレス社会での肉体と心の解放ですね。

ちなみに、海外では、よく裸になって抗議する方もいますね。けれど日本で実際に、外で「ありのままの姿」つまり「裸」になってしまうと、逮捕されちゃいます。
では、一部だけ隠せば良いのでしょうか?たまにニュースで、ギリギリの格好をしている人がいると話題になりますね。
今回はそんな気になる「法律と裸の話」についてです。

●公然わいせつ罪?
「公然わいせつ罪」という犯罪は、皆さんも聞いたことがあるかもしれません。
この刑法という法律にある「公然わいせつ罪」では、公然と「下半身の大事な部分」を露出したり、「性行為」をしたりしてはいけないとしています。
ところで、カップルが街中でキスをしたり、「壁ドン」したりするのは「公然わいせつ罪」にはならないので、大丈夫ですよ(笑)。※「壁ドン」については、いろいろと議論があるようですが。
つまり、下半身の大事なところを露出してしまったら、アウトなのです。なお、服を着ていても、スケスケだったら、ダメですよ!

●軽犯罪法違反?
「下半身を露出しなければ良いのか!」と思っているそこのあなた。実は、軽犯罪法という法律では、「公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方で、しり、もも、その他身体の一部をみだりに露出した者」を罰するとしています。ということで、「けん悪の情を催させるような仕方」で、露出してもダメなのですね。

例えば、たとえ大事なところを隠していても、誰もが見ても不快感がある「きわどい水着や服」を着て外を歩いていたら、たとえ大事なところが隠れていても、犯罪になってしまう可能性があるということですね。

●条例違反?
どうやら、今の世の中では、「ありのまま」に近い姿でも、外にでることは、どうしてもダメらしいですね。
軽犯罪法だけではなく、さらに都道府県の条例でも。例えば、京都府迷惑行為防止条例では、「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で」「みだりに、他人に、異性の下着を着用した姿等の性的な感情を刺激する姿態又は性的な行為を見せること」をしてはいけないとしています。
これだけ規制が多いということは、それだけ変態さんも多かったということでしょうね。心が「ありのまま」にいることは良いと思いますが、格好まで「ありのまま」でいることは止めましょう。


*著者:弁護士 佐藤大和(レイ法律事務所。芸能トラブル、性犯罪、労働事件、損害賠償請求事件、債務整理などを得意分野とし、特に「子どもたちを被害者にも加害者にもさせない」という信念で、法教育に力を入れている。)