巨大宗教団体の創価学会。近年ではテレビCMも盛んに放送され、与党の一角をになう公明党の支持母体としても存在感を高めている。



 そんな勢いもあってか先日、学会に詳しい記者が「まさか、こんな映像が地上波で解禁される日がくるなんて」と漏らすほどの光景がオンエアされた。

 それは、3月5日に放送された『プロフェッショナルな妻たち』(テレビ朝日系)内で流れた、タレント・桜金造の妻、鶴子さんが出演した数分間のシーンだ。同番組の公式HPでは、次のように宣伝されていた。

「病気やケガ、仕事での失敗…。人生の大ピンチを迎えた夫を、妻はどうやって支えてきたのか? 夫の扱い方に関しては『プロフェッショナル』な妻たち3組のドキュメント!」

 出演者は、元プロレスラーのアニマル浜口×初枝さん夫婦、同じく元プロレスラーの小橋建太×みずき舞さん夫婦に加えて、桜金造×佐藤鶴子さん夫婦の3組だ。

 アニマル浜口についてはその波瀾万丈な人生は有名だが、小橋は人気絶頂の折にガンに侵されるなどの苦労をしてきた。
その折にも、妻のサポートで乗り越えてきたことを番組は伝えていた。

 桜といえば、「小山ゆうえんち~」のCMでおなじみのとぼけた芸風で知られ、レスラー2人の壮絶体験とはつりあわないように思えるが、夫婦がたどった道は2人に負けず劣らずすさまじい。実は漫才ブームが去ったあと、桜はすっかり酒におぼれたため2人は一度離婚。しかし、その後も交流は続き、脳内出血に倒れた桜を献身的に支えたのは鶴子さんだったという。番組は当人のインタビューを交えながら、その様子を克明につづっていた。

「鶴子さんの後ろに映っていたものがあまりにスゴすぎて、まったく話の内容が伝わってきませんでした。
タートルネックのセーターを着た鶴子さんがインタビューに応える映像は自宅で撮られたとみられ、背後には小ぶりな本棚が映りこんでいたのですが、創価学会名誉会長の池田大作さんの小説『新・人間革命』がズラーっと、そろって本棚の一角を飾っていたのです」

●異例の事態

 ちなみに、桜が学会員であることは知られている。同記者が続ける。

「桜はこれまでにもしばしば、学会の機関紙などに登場しています。しかし、それはあくまで学会の内輪的な話であって、万人が視聴可能な地上波でこうした映像が流れることはこれまで考えられませんでした。テレビ局側にしても、番組に“色がつく”ことを避けるために、一般的にはこうした映像は使わないでしょう」(同)

 本棚にはほかに『周恩来と池田大作』などのほか、元山口組の有力組織、後藤組を率いた後藤忠政氏の『憚りながら』も置かれていた。同著のなかで後藤氏は創価学会と暴力団の関係を明かしているが、桜夫妻もそうした舞台裏をチェックしておこうと思ったのだろうか。


 インタビューの終盤、カメラは鶴子さんの寄りの映像から一転し、部屋の全体像を映し出す。そして左側にはダメ押しするかのように、創価学会には欠くことができない植物「おしきみ」が飾られた立派な仏壇が映し出されたのだった。

「もちろん、宗教団体の方へのインタビューである旨を明示するようなケースでは、その宗教に関連する書籍や物品が大きく映り込むことは問題ありません。しかし、今回は視聴者に対してまったくそのような説明もなく、あくまで一芸能人の妻への取材というなかでの出来事です。通常では考えられない映像であり、ウチの局であれば放送事故的な扱いになるでしょう。偶然にしては過ぎます。
何か意図が働いているのではないか、と感じざるを得ません」(テレビ局関係者)

 その背景が、気になるところである。
(文=編集部)