今年2月、「週刊現代」(講談社)の編集長が、加藤晴之氏から乾智之氏へと交代した。一時は「部数が伸びなかったため、更迭された」などと噂された(実際は通常の人事異動らしい)加藤氏だが、『革マル派に牛耳られたJRの真実』『大相撲八百長疑惑』『細木数子と暴力団のつながり』など、数々のスクープと、それに伴う訴訟の多さで話題を提供してきた人物である。
一方の乾氏も、ノンフィクション作家・本田靖春氏が絶賛したほどの編集者で、今後の誌面づくりが楽しみな人物だ。だが新任早々、乾氏が加藤批判を公の場で口にしたというのだから、穏やかではない。
その“公の場”というのが、業界誌「日本の編集長」(08年4月号/東京アドエージ)なる雑誌(ちなみに同社は、あの「噂の真相」編集長・岡留安則氏も在籍したことがあるという出版社)。「『週刊現代』の何をどう変えるのか!?」というインタビューで、乾氏は加藤氏について、以下のように言及している。
「加藤のやり方は良くも悪くも昔流ですね。<中略>これが一番目の記事で、これが二番目の記事であるということを読者に明確に提示する。
つまり、読者のほうを向かずに、「自分達の独り善がり的な」誌面づくりをしてしまっていたことが、部数下落の原因だという。ここまでハッキリと否定されては加藤氏も立つ瀬がないだろうが、業界関係者は次のように指摘する。
「そもそも、加藤編集長のセンスというのは、『週刊現代』編集部でも賛否両論で、表紙に打つ言葉や見出しのについては疑問視する声も少なくなかった。とはいっても、乾氏が加藤氏よりも優秀というわけではなく、現在でも部数は右肩下がりなんです。
誌面改革により女性層の取り込みに成功した「週刊文春」に続けとばかりに、同誌も“家族で読める週刊誌”目指して様々工夫を凝らしているようだが、まだ結果は追いついていない様子。一方、某ジャーナリズム誌のI編集長は、「部数が落ちているからといって、女性に購買層を広げようというのは安易な考え。男性が読んでも女性が読んでも面白い雑誌なんて、基本的にはない。それよりまずは、これまで培った『週刊現代』の強みを伸ばしつつ、その中できっちり利益が出るような仕組みをつくらないと。30万部でも成立するようなビジネスモデルに組み替えないと、体力的にもたないでしょう」と、懐疑的だ。
ところで、新編集長の乾氏は「雰囲気は石田純一。
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