記事によると、3月に放送されたTBSラジオ『JUNK 爆笑問題カーボーイ』で太田光が田中裕二に対し「おれにもピンの仕事をよこせよ」「自分ばかり売れやがって」とマジギレしたという。確かに田中は今年に入ってドラマ『恋愛ニート~忘れた恋のはじめ方~』(TBS系)に出演、3月31日からはスポーツ番組『S☆1』(TBS系)の新MCが決定しているなど、ピンとしても売れっ子になっている。
しかし、太田の田中いじりはすでに"お約束"のうえ、ときに手のつけられないほど暴走する芸も太田の十八番だが......。
「場をまとめることに長けている田中は味のあるキャラも認知されてきて、ドラマや司会に引っ張りだこになるのは当然です。太田にピンの仕事がないのも事実ですが、太田は太田で小説を出版するなど最近は作家活動をしていますからね。太田が田中を一方的に攻撃するのは同番組の中でも定番化しているネタの一つのようなもので、ネット上のファンの声を見てもそういった意見が多いです」(芸能ライター)
いわば"擬似ゲンカ"ともいえる爆笑問題のやり取りだが、過去にはラジオで"マジゲンカ"を披露してしまったコンビがいる。
中田敦彦が好きなエヴァンゲリオンネタのハガキを読んでいる際、藤森慎吾がよく知らないことに腹を立て「慎吾のこの顔がムカつくんだよね」「いいから次行けよ」「なんだこのヤロー」「うるせぇコノヤロー」とキレあった後に、「ガタガタ」というマイクの音とともにCMへ......というやり取りはいまだにネタにされているほど。品川庄司も、以前に品川祐が庄司智春をバカにし続けたことに庄司がキレてケンカに発展。ヘッドフォンを投げつけるなどヒートアップした品川に庄司が「また暴力か?」と挑発するなど、大ゲンカを繰り広げたことが知られている。
なぜ芸人は、自分たちの仕事場の一つであるラジオでケンカしてしまうのだろうか?
「ラジオというメディアの特殊性かもしれませんね。
ケンカが報じられるとささやかれるのが「不仲」「解散」といったキーワードだが、爆笑問題はもちろん、オリラジや品川庄司にもそういった様子はないように見られる。
「『ケンカするほど仲がいい』じゃないですけど、ケンカによってうまくガス抜きしているからこそコンビ仲は安泰ともいえますよ。もともと、コンビは夫婦と同じといわれるように、距離感が微妙な関係で、相方の家や携帯番号を知らないということもザラ。
有吉弘行が「なんか面白いことがあったときに一番上にあるのはラジオでしょ。(優先順位は)ラジオ>テレビ>ブログ>Twitterくらい」と言っていたり、伊集院光も「なにか嫌なことがあっても、ラジオでしゃべれるからいいかなと思ってしまう」という主旨の発言をしているように、「しゃべり」で生きる芸人にとって「ラジオ愛」は限りなく深い。そんな聖域ともいえる場で最高のパフォーマンスを発揮したいという芸人魂がときに感情に火をつけ、"暴走"へと向かわせてしまうのかもしれない。しかし、それは決してテレビなどでは見られない姿であり、キレたときにこそその人の人間性が出るもの。リスナーはそんなサプライズも醍醐味の一つとして楽しむことができるだろう。
(※イメージ画像:『JUNK 爆笑問題カーボーイ』/Happinet)