今年の『NHK紅白歌合戦』の白組と紅組のトリが、近藤真彦と松田聖子に決まったとを聞いて、悪い冗談か? それとも、紅白のスタッフはデリカシーのかけらもないのか? と耳を疑った。
マッチと聖子はアイドルとして人気絶頂期、マッチの恋人であった中森明菜を自殺未遂に追い込んだ過去を持つ。
今から約30年前、マッチはデビュー間もない明菜と熱愛。ジャニーズ事務所のパワーを恐れてスポーツ紙やワイドショーはネタにしなかったが、2人がスケジュールの合間を縫って、明菜の自宅マンションで逢瀬を重ねていたことは、女性誌「微笑」(祥伝社/すでに休刊)が逐一報じていた。2人の関係は公然の事実だったのだ。
一方、聖子は神田正輝と結婚。長女の沙也加を出産後、“世界進出”にチャレンジ。
当時、聖子は大手芸能プロ・サンミュージックに所属。フライデーから「マッチとの写真を撮った」という連絡を受けて、2年前に亡くなった、当時サンミュージック社長だった相澤秀禎氏が、急遽ニューヨークに飛んで「フライデー」サイドと話し合い、致命的なスキャンダルに発展しないような写真を掲載することで話をつけたという。
生前、相澤氏は筆者の取材に、事の真相を語ったことがあった。実際には、マッチは聖子が泊まっている部屋で密会していたのだ。しかも聖子はマッチを前に、臆面もなく、夫だった神田正輝に電話をしてしたという。当時、この真相を報じたのは「微笑」だけだったので、大スキャンダルにはならなかった。
ところが、世間的には真実は隠蔽できたものの、恋人だった明菜は“ニューヨーク密会”報道に一人、心を痛め、マッチが帰国してからは痴話げんかが絶えなくなったという。一方、聖子は相澤氏に助けられた恩を忘れて、その年の6月にサンミュージックから身勝手に独立した。
その明菜は昨年の紅白で再起を果たしたが、今年はジャニーズからゴリ押しされて、マッチが出場することに。そのため、NHKサイドは明菜には出演オファ―しなかったといわれている。その紅白スタッフが、トリにマッチを持ってくるというデリカシーのなさ、もしくは悪趣味ぶりには開いた口が塞がらなかった。再び明菜を追い込むことにならなければいいが。
(文=本多圭)