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孫悟空の武器はオナラスプレー! 「コロコロコミック」発、小学生男子たちはバカ丸出し!

2011年2月8日 11時00分

ライター情報:とみさわ昭仁

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『こどもの発想。』天久聖一/アスペクト
人生を上手に間違えるためのガイドブックばかり世に送り出す天久聖一氏。前作『味写入門』を越える本はなかなか出せないだろうと思っていたが、『こどもの発想。』はそれさえも軽々と越えてしまった。

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大人は忙しいのである。
日々の仕事に追われて、のんびり読書などしているヒマがない。読みたい本や仕事に必要な本を買い込みはするけど、読書の時間がとれずに、机の横に積み上げられていくばかり。かく言うわたしも、一昨年よりゲーム「桃太郎電鉄」の開発スタッフに加わって、非常に多忙な日々を送っている。今日もこれから京都まで出張会議に出掛けなければならないのだ。

はっ! いいことを思いついた。東京から京都へ向かう新幹線の中ならば、本の1冊くらい読めてしまうぞ。これなら移動の時間も無駄にすることなく、人生を有効に使えるではないか。ディス・イズ・ライフハーック! 

乗り込んだのは8時ちょうど東京発、のぞみ207号新大阪行き。車両はN700系というやつで、どことなくうちの女房に顔が似ている。車内はそれなりの混雑だ。隣が空席だと楽でいいのだが、あいにく30代くらいのビジネスマンが座っている。彼の足もとにはアタッシェケース。きみも出張かい? お互いお仕事たいへんだね……。と、心の中でひとり言をつぶやいていると、そのビジネスマンくんはおもむろに雑誌を取り出して読み始めた。ちらっと横目で見たら「Newsweek(米国版)」。むむむ、やるな。ここでわたしも負けじと本を取り出す。机に積んであった本の山から適当に持ってきた1冊は……こっ、『こどもの発想。』

これは「月刊コロコロ・コミック」の読者コーナーに投稿された小学生男子たちの、珠玉の作品群をまとめたものである。編者は漫画家としても知られる天久聖一氏。“大人の脳に小学生のイデオロギーを備えた男”と、わたしも一目置いている人物だ。たしかに読みたくて買った本ではあるのだが、しかし、よりにもよってこんな状況で、この本をっ!

ゆっくりと動き出した新幹線の座席で、ページをめくる。最初のコーナーは「こども偉人事典」。歴史上の人物の図と、その横に出題文「問:右の人物にあなたの考えたニックネームをつけなさい」というものが添えられている。一発目に登場するのは、戦国武将の中でも不動の人気を誇る織田信長だ。そこに「しゃくれウマ」だの「生活つらいくん」だの、いかにも小学生らしい珍回答が寄せられている。「UFO人ペスラー」って、なんだそれは。まったく意味がわからない。わからないけれど、なんだか込み上げてくるものがある。

隣のビジネスマンくんが不思議そうにこちらを見ている。どうやらわたしの肩が震えていたらしい。

ライター情報

とみさわ昭仁

1961年生まれ。ゲーム開発、映画評論、コレクター研究、古本屋店主、スカジャン制作、DJなど。神保町特殊古書店マニタ書房は、不定休で週のうち半分くらい営業。

URL:akihito tomisawa index

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