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ボカロPとしても有名な作家の自作PVが凄い「猫の彼女のESP」

2013年7月5日 11時00分 ライター情報:杉村啓

『猫の彼女のESP2』泉和良/うめ/星海社FICTIONS
実はこの大きく描かれているイラストは「帯」だったりします。外すと真っ白な表紙になります。

[拡大写真]

「小説家」泉和良=「ボカロP」ジェバンニPが、自らの小説「猫の彼女のESP」のためにつくったプロモーションビデオ(正確には2つ目は曲が曼荼羅Pで、詞と動画がジェバンニP)を見てみてください。





泉和良はフリーウェアゲームサークル「アンディーメンテ」でオリジナルゲームを多数公開している「プログラマー」でもあります。

「猫の彼女のESP」はさまざまな超能力を持った猫、特殊猫(ルナと呼ばれている)がいる世界の物語です。ある特殊猫はテレパシーの能力を持ち飼い主と意思の疎通ができ、ある特殊猫は人間に対しての精神操作ができ、ある特殊猫はテレキネシスの能力で触れずに物を動かすことができる。力の強い特殊猫ともなると、剣のような力場を作って攻撃することができ、戦車をも倒してしまう。

超能力を持った猫が暴走し、さまざまな事件を引き起こすと、同じ特殊猫で対抗するしかありません。そこで出てくるのが猫殺し士。特殊猫と特別な絆で結ばれた飼い主とのコンビで暴走した特殊猫を退治するのです。主人公の「国塚誠」はこの猫殺し士。パートナーの「アサキ」と共に暴走した特殊猫の能力を封印してきました。そして、この二人のもとに、14歳の少女「熊川沙良」とその飼い猫である「ナイト」の暴走を止めろという要請がきたところから話が始まります。

長々と背景を説明してきましたが、この設定が実に面白いんですよ。超能力を扱うのが人間ではなく、パートナーたる猫であること。これだけで猫好きとしてはうれしいところです。確かに猫は超能力を持っていても不思議が無い気がしませんか。そして、ややもすると気まぐれな猫の超能力を制御するために、パートナーたる人間が必要なのです。

物語は特殊猫研究の最高権力者の「栗山ヒロミ」の陰謀や、12年前にその強大なパワーで地球の自転を6時間進める事件を起こした根源の特殊猫「エグエリ」など、さまざまな人の思惑が入り乱れて進んでいきます。

2巻ではさらに国塚が9年前にチームを組んでいた他の猫殺し士達が登場し、過去の事件が国塚を苦しめます。沙良とナイトと共に事件に当たる国塚。でもそこにはまたエグエリの影が……

帯に書いてある「強すぎる絆が生み出した罪は、あまりにも儚い」という言葉の通り、衝撃的な結末で、続きが気になって仕方がありません。

実はこのシリーズには前日譚があります。ファウストvol.8に収録されている「ESPレインボウ」という作品です。

ライター情報

杉村啓

醤油と日本酒と料理漫画とその他諸々をこよなく愛するライター。なんでも超丁寧に解説します。近著に『白熱日本酒教室』(星海社)、『醤油手帖』(河出書房新社)ほか。

URL:醤油手帖

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