全100種類のカードの9割を集め、勝利を確信したリーダーのニッケス。全63人のメンバーで集会を開いたのだが…。

リーダーの話を誰も聞いていなかったんじゃないか問題
ニッケスがこの集会を開いたのは、組織を鼓舞してモチベーションを高めること、クリア目前に控えた現状とこれからの方針についての説明が目的だったんだろう。だが、この集会はあんまり意味がなかったんじゃないか。というのも、メンバーがあんまり話を聞いていなかったように見えるからだ。
「残り10枚のうち7枚は所在も判明… 所有者の保持している残りのカードも把握している 手に入れたも同然だ」
カードの占有率、残りのカードのありか等の説明をするニッケス。否定的な捉え方をすれば、3枚が所在不明であるということが見えてくる。レア度SSのカード「一坪の海岸線」に関しては、彼らはこの段階で入手条件も分かっていない。しかし、このときのメンバーの顔を見ると「グヘヘ、あと少しで大金が手に入るぜ…」という表情をしている。浮かれきっている。
さらにニッケスの話は続く。
ツェズゲラが率いる連中も同程度の指定カードを持っているものと考えられるが ガードが固くて情報が得られない おそらく奴等との直接対決が最後のハードルだろう
しかし呪文カードが質・量ともこちらが圧倒しているはず 遭遇さえしてしまえば確実にこちらが有利なことに変わりない
諸君!! 我々の勝利は目前だ!!
遭遇さえしてしまえば確実に有利としているが、遭遇するのが難しい。ガードを固められているのはそのためだ。
モブキャラからボスキャラに格上げされたゲンスルー
1つ オレからもいいか?
彼らのモチベーションが高まったところで、メガネのしゃくれ顔が割って入ってくる。
5年…長かったような短かったような…
このとき、幹部たちは「うん…、そうだな…」という感慨深げな表情を見せていた。この切り出しから悲劇が始まるとは予想だにしなかっただろう。
「オレは爆弾魔(ボマー)だ」
これまでモブキャラだと思っていた男の名前はゲンスルー。触ったものを爆破できる「一握りの火薬(リトルフラワー)」と相手の体に爆弾を取り付ける「命の音(カウントダウン)」の使い手。みんなの体に爆弾をとりつけたことを発表し、そのままゲーム外に逃げてしまった。
グループの連中は、なんとか爆弾を解除してもらおうと交渉に乗り出すのだが、ゲンスルーに彼らを活かしておくメリットはなかった。
冗談の様なあの場の空気にのまれ 奴の説明を理解しようとすることで頭が一杯だった
と唯一の生存者は話している。
このとき、集会を開かずにゲームクリアしていたとしても、クリア直前のクイズ大会、クリア後のバッテラの屋敷、祝勝会、彼らが一堂に会するタイミングはたくさんある。
グリードアイランドで死亡すると、ゲーム機の近くまで転送される。大量の死体が送られたバッテラの屋敷も大掃除で忙しくなったことは間違いない。
(山川悠)
参考→『HUNTER×HUNTER』15巻。アモリ三兄弟、絶望のリタイア