オカルトの面白さの一つは「うさんくささ」です。
どこまで本当か分からないし、解答はない。
時には無茶な理論でこじつけて解説だってしちゃう。それを聞いてぼくらは「な、なんだってー!」と叫ぶわけですよ。お約束。

そんな「うさんくさいオカルト」を全力で再現しているのが、現在放送中のアニメ「世紀末オカルト学院」
一見小難しそうなアニメに見えるんですが、蓋を開けてびっくり。これは、お酒を飲みつつケツかきながらゲラゲラ笑ってみる「うさんくさい」アニメだ!
ここで描かれるオカルトは不思議で、得体が知れなくて、うさんくさくて、いかがわしいと監督自ら言い切っています。(世紀末オカルト学院「対談スペシャル Part5」より

昔はテレビのオカルト番組、いっぱいありましたよね。矢追純一UFOスペシャル! UMA(未確認生物)の写真検証! 写真の小さな点を見て「これは間違いなくフライングヒューマノイドですね」と言われた日にゃ興味深々、図書館にGOでしたよ。ちょっぴり怪しくて不気味な世界をこっそり覗き見る快感。うひゃー、楽しい!
それを論破するオカルト否定派の大槻教授の「プラズマです」というセリフも友達の間で流行りました。火の玉も幽霊もミステリーサークルも全部プラズマ!
まあ、ホントのこと言うと幼い頃はオカルト番組怖かったんですけどね。キャトルミューティレーションされたらどうしよう……みたいな。
でも大人になるにつれて、オカルト肯定派と否定派のバトル自体が楽しく感じてきたんです。
ああそうか、オカルトで一番楽しいのは「オカルトって何か」を考えている瞬間そのものなんだ。「オカルトの話をすること」自体が楽しいんだ。

「世紀末オカルト学院」のヒロインのマヤは、オカルト否定派。だけど本当はオカルトをすげー好きで仕方ないんですよ。そうそうこれこれ! マヤのセリフ回しがいい。「この世に死霊など存在しない!これは……やらせです! すべてはペテンです。そもそもグスタフ・バルトシュタインの定義するオカルトとは古くはグノーシス派やマニ教のように時の政治権力とそれに結びついた主流派によって」以下延々と続くので略。結局オカルトを否定することでめっちゃ楽しんでいるのよね。こうやってオカルト好きが論じあうのを見ること自体が最高に楽しい。実際にいるかいないかは二の次なんですよ。

まさに大槻教授達のやりとりをテレビで見ていたあの感覚、90年代の感覚が再現されているんです。

舞台は1999年。『ノストラダムスの大予言』に世界中の人が怯え、テレビではオカルト番組内で激論していた時代です。当時予言をはなから信じていなかった人でも、心の隅っこにモヤモヤしたものはあったはず。
監修は「ムー」。本家本元、かつてはいっぱいあったオカルト雑誌の中で、唯一残った定期刊行誌です。

見るときなーんにも考えなくてもいいから! この不思議でへっぽこな世界をまずは楽しんで! その後ちょーっと興味が湧いたら、出てくる単語をyahooなどで検索してみてください。
そしたら分かるよ。
「オカルト、うさんくさくて楽しい!」って。(たまごまご)
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