ヒント。さらに、グループ魂、銀杏BOYZ、BUCK-TICK、戸川純……なんだか濃い面子ですね。
答えは、THE STALIN・遠藤ミチロウのトリビュートアルバム「ロマンチスト」に集まった面々。
今年60歳で還暦を迎える遠藤ミチロウをリスペクトして生まれたトリビュートアルバムで、本当に幅広いジャンルからアーティストが集められています。
「THE STALIN」「遠藤ミチロウ」を聞いたことがない人も多いかもしれません。それでも、お目当てのアーティストで買って大丈夫。しっかりそれぞれのアーティストの味が生きているトリビュートアルバムになっています。
そしてこれを聞いて、遠藤ミチロウの強烈な歌詞と音の世界に足を踏み入れてほしいのですよ。
遠藤ミチロウがパンクバンドTHE STALINを結成したのは1980年。
ライブでは全裸になるわ、豚の首をふりまわすわ、客席に臓物やバクチクを投げ込むわ、放尿するわと過激すぎるライブでアングラカルチャーの話題になりました。そもそも「ザ・スターリン」という名前自体、世界で最も嫌われている男の名前をつけたら覚えてもらえるから、というアナーキーっぷり。いやあパンクすぎる。
THE STALIN・遠藤ミチロウはその歌詞と音楽性で高く評価されました。シンプルにして激しい歌詞、これがどうにも脳みそにこびりついて離れなくなるから困ったり楽しかったり! 宮藤官九郎は「遠藤ミチロウ全歌詞集完全版」の中で「スターリンは音楽とかロックではない、自慰や万引きと同じカテゴリーに属するもの、子供心にそう判断した。当然それが共産主義の独裁者の名前である事など知らないし、歌詞の意味も全く理解できなかったが」と語っています。わかるわかる、だってさー、曲名の「お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました。」とか「先天性労働者」とか、なんかヤバいにおいするじゃないですか。声に出して読むとゾクッとします。
「THE STALIN」というのはバンド名であると同時に、遠藤ミチロウのさまざまな活動そのもののこと。彼のパンクスピリッツや作品世界に多くのミュージシャンが影響を受けました。2001年にはそんなモロに影響を受けたアーティストが集う365:A TRIBUTE TO THE STALINというアルバムが発売。犬神サーカス団、大槻ケンヂ、水戸華之介、ロリータ18号など、わかる人はニヤニヤ、わからない人はさっぱりな濃すぎるラインナップ。
2010年の還暦祝いトリビュートはもうひとつ出ています。青鬼赤鬼というタイトルで、こちらはインディーズ版トリビュート。友川カズキ、遠藤賢司などゴリゴリにコアな面々です。
優しい音から激しい音まで揃っているトリビュートアルバム「ロマンチスト」は、THE STALINを知らない人でも他のアーティストの味付けでチャレンジしやすいアルバムになっていますので、遠藤ミチロウ入門編としてはもってこい。
「THE STALINと遠藤ミチロウの曲なら全部知ってるぜ!」という方にも朗報!2011年1月23日、THE STALINが復活して、ワンマンライブを大阪で開催します。
実にこの復活は10年ぶり! 貴重な機会なのでお見逃しなく!(たまごまご)