
薫(武井咲)のもとで穏やかに暮らす剣心(佐藤健)。しかしある日、志々雄真実(藤原竜也)が京都で政府転覆を虎視眈々と狙っていると知らされる。志々雄は、かつて剣心の後を継いで影の人斬りとして活躍していた男。鳥羽伏見の戦いで政府が勝利したあと、同士に裏切られ全身を焼かれたが、一命をとりとめたのだ。志々雄の残虐性を目の当たりにした剣心は、彼と戦う決意をするーー。『京都大火編』は、第3作『るろうに剣心 伝説の最後編』とともに前後編としてつくられた。もちろん今作だけでも楽しめるのだが、次作へと物語をつなげる役割もあるため、とにかく濃いキャラクターが次から次へとどんどん登場する。今夜の放送前に『京都大火編』の登場人物をおさらいする。
バンドができるかも? ミュージシャンが続々登場!
第1作で登場したミュージシャンといえば、ニセ人斬り抜刀斎こと鵜堂刃衛を演じていた吉川晃司。『京都大火編』では、さらに大勢のミュージシャンが登場する。まずは剣心に志々雄を倒し、政府を救ってくれるよう頼む大久保利通。なんと、元THE BOOMの宮沢和史が演じている。髭をたくわえ、貫禄十分。
さらに人斬りをやめ、「不殺」を掲げている剣心の象徴とも言える逆刃刀をつくった刀鍛冶、新井赤空には中村達也。長年ひとつの道を追求してきた職人の空気を醸し出していた。
そういえば佐藤健も映画『BECK』でギターを、『カノジョは嘘を愛しすぎてる』でさらにベースとキーボードの練習を重ね、完成披露試写会では観客の前でベースを演奏してみせたという。『るろうに』の出演者でバンドが組めそうだ。
『バクマン。』コンビのシーンも!
志々雄の手下・十本刀のひとりである瀬田宗次郎を演じたのは神木隆之介。
彼は第1作がつくられたとき、続編の予定もないうちから「宗次郎役に神木をお願いします」と事務所で訴えたという。さらにひとりで宗次郎の移動術“縮地"の練習を重ねたほど。
剣心と戦うシーンでは、その強い思いを爆発させるように軽やかで切れ味のある殺陣を披露している。現在公開中の『バクマン。』で二人三脚のマンガ道を歩み、ペンを剣に持ち替えてともにライバルと戦う姿を披露している佐藤と神木。
68歳、田中泯の身体能力!
刀を盗もうとした少女、操(土屋太鳳)に連れられ、幕府の隠密御庭番たちと出会う剣心。志々雄の一味が京都に火を放つなか、御庭番の翁(田中泯)と、かつての仲間でありながら修羅に落ちてしまい剣心を探し求める四乃森蒼紫(伊勢谷友介)とが戦うシーンも大きなみどころだ。
なにしろ田中泯は撮影時点で68歳。しかしダンサーとして生きて来たその体を最大限に活かし、しなやかなアクションを繰り広げている。長身・無表情の蒼紫とすべてを悟っているかのような翁の対比も味わい深い。
包帯ぐるぐる巻き、炎の中で笑う藤原竜也
やはり今作最大の存在感を披露しているのは、なんといっても志々雄だろう。全身包帯で巻かれた男。村を壊滅させ街に火を放つ。人を殺すことをなんとも思わない彼は、どんな状況でも「不殺」を守ろうと必死でもがく剣心とは正反対の人間。志々雄の衣装(?)は耳も聞こえず、視界も極端に狭くなるという。簡単にトイレにもいけないというこの状態で撮影に臨んだ藤原竜也。憎しみと恨みにまみれた男の姿を見事に演じている。
そして、ラストではさらに意外な人物が……。『るろうに剣心 京都大火編』は今夜!
(釣木文恵)