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五代友厚と新次郎こそ比翼の鳥「あさが来た」94話

2016年1月22日 09時50分 ライター情報:木俣冬
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連続テレビ小説「あさが来た」(NHK 月〜土 朝8時〜)1月21日(木)放送。第16週「道を照らす人」第94話より。原案:古川智映子 脚本:大森美香 演出:西谷真一
イラスト/小西りえこ

94話はこんな話


商法会議所で倒れてしまった友ちゃん(五代/ディーン・フジオカ)は、訪ねてきた新ちゃん(新次郎/玉木宏)に、あさには弱った姿を見せたくないので、忙しくて会えないと言ってくれと頼む。

俳優と役の幸福な関係


「あなたがたはまるで、ええ言葉がみつからんな・・・(英語)『相思相愛』そうや、比翼の鳥や」

新次郎とあさのことを五代がこう表する時の音楽が盛り上げる。
やばい、泣きそうだ。

それにしても、「比翼の鳥」。
こんなかっこいい表現をするとは、やっぱり五代はただ者ではない。
その才をひけらかすことなく、人の良いところを見つけては、それを伸ばす助言をする、そんな力の持ち主・五代。
人にばかり力を貸して、自分の財閥も銀行もつくらない、
認められないで死んでも後悔しない、未来に名を残さなくてもいい。
史実の彼がどんなだったかは、近藤正高さんのレビューを読んでいただくとして、キャラクターとしては、これほどまでに清廉に設計されたキャラもなかなかいないのではないか。
朝ドラ出演によって、注目される俳優は少なくないが、ディーン・フジオカは運命の当たり役に出会ったと言えるだろう。半分は、彼が役をさらに魅力的にしたのであって、俳優と役の幸福な関係も比翼の鳥と言ってもおかしくない。
これだけいい役をやった後は、それを超えるのが大変。ディーン・フジオカの今後が気になる。
イラスト/小西りえこ

新次郎のとぼけた演技が切ない


五代の頼みを聞いて、あさが心配しないように気を配る新次郎。
ちゃらんぽらんに見せて、かっこいいところだけもっていくと、五代に指摘された新次郎。その昼行灯演技の一世一代のやりどころが、あさに対して五代が最後までかっこつけるためのものであったことが、なんかいい。
五代は、戦のある時代の主は命令する力が必要だったが、今は、人の話を聞く力が大事で、新次郎にはそれができると見抜いた。
五代と新次郎、じつは似ていて、どちらも、人のことをよく見ていて、その背中をいいあんばいで押している。
新次郎は、あさと五代こそ「比翼の鳥」と言うが、新次郎と五代が「比翼の鳥」で、これまでずっと、ふたりでひとりのようにあさを支えてきたと言える。
五代は内からも外からも支えてと新次郎に託した。これまでは内が新次郎で外が五代だったわけで、その片翼がなくなったら、あさはどうなるのか。

「比翼の鳥」になりかかりの、うめ(友近)と雁助(山内圭哉)については、後日、書きたいと思う。

ところで、「加野屋にまたひとつ風が吹いたのでした」(ナレーション) って、
新しい朝はしょっちゅう来ているが、風についても言及していたっけ。
(木俣冬)

木俣冬の日刊「あさが来た」レビューまとめ読みはこちらから

ライター情報

木俣冬

著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』、ノベライズ『リッチマン、プアウーマン』『デート~恋とはどんなものかしら~』

URL:Twitter:@kamitonami

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