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「ゴースト・イン・ザ・シェル」の一体どこが「攻殻機動隊」なのか。テーマ以外の全てである

2017年4月20日 10時00分 ライター情報:しげる
史上最も分かりやすい攻殻機動隊。それがハリウッド版『ゴースト・イン・ザ・シェル』だ。

仕事しながら自分探しもする少佐


今までたくさん映像化されてきた攻殻機動隊だけど、今回のハリウッド版『ゴースト・イン・ザ・シェル』の話のコアになるのが、スカーレット・ヨハンソン演じる"少佐"の「自分探し」である。例によって少佐は全身をパワーもスピードも生身に大きく勝る機械の身体に置き換えている(これを劇中では「義体化」という)のだが、今回の彼女は元難民。「乗っていた難民船がテロで沈み瀕死の重傷を負ったので義体化した」という理由がちゃんとある。

ところが本作の悪役である「クゼ」との接触でこの義体化以前の記憶を信じていいかわからない事態が立て続けに発生。少佐は事件を追いながら自らの本当の過去を掘り下げていく。大雑把に言うと、このプロセスを2時間かけて語るのがハリウッド版『ゴースト・イン・ザ・シェル』だ。

というわけでハリウッド版は「スカーレット・ヨハンソンが自分探しをする」という、そこだけ聞くと「食べたり祈ったり恋をしたりするのかな……?」と勘違いしそうな主題が打ち出されている。この主題はわかりやすい。なんせ舞台が現代だろうがサイバーパンクな近未来だろうが、「主人公が自分探しをする」という話は普遍的だし、観客もとっつきやすいはず。全身義体化が当たり前でトグサが「なんで義体化しないんだ」って言われていた原作漫画とも、「生命とは……」ってず〜っと悩みっぱなしだった押井版とも違う、新たなテーマである。この改変の是非は人によって異なるだろうけど、ちゃんと2時間の映画としてストーリーは着地しているので、そのあたりはさすがハリウッドの脚本だなぁという感じ。

怒涛の「攻殻機動隊にありがちなこと」連打


話の芯が変わっちゃってるじゃん! というハリウッド版だけど、じゃあどの辺が攻殻機動隊なのさといえば、テーマ以外の全てである。少佐は補正下着一枚みたいな格好でビルの屋上から飛び降りるし、記憶を書き換えられた男と光学迷彩で殴り合うし、多脚戦車の砲塔のフタを力技でひっぺがす。サイトーは狙撃するし、トグサの鉄砲だって「ちゃんとマテバですよ!」というのをわざわざ画面に映してくれる。

要するに、「攻殻機動隊にありがちなこと」を延々実写で見せてくれるのである。これをオリジナリティがないと言って叩くのは楽だが、ストーリーの核が入れ替わっている以上、こうしないと多分攻殻機動隊の映画ではなくなってしまう。

ライター情報

しげる

ライター。岐阜県出身。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。

URL:Twitter:@gerusea

コメント 10

  • 匿名さん 通報

    この映画は単なる高価で高性能な義体であって、士郎正宗のゴーストが入ってないんだよ。押井のがゴーストダビングされている。

    11
  • 匿名さん 通報

    見て裏切られるのが怖くて見れない。実写アニメ恐怖症。そのうちレンタルででも見ることにする。

    5
  • 名無し 通報

    タイトルの何処にも攻殻機動隊と出てない。大体、少佐個人の話であり9課としてほとんど動いていない。またあんな多脚戦車をどうこうできるサイボーグが生身の警備員ごときに捕まえられるわけ無い。

    2
  • 匿名さん 通報

    2時間制限の映画の尺中でよくまとめた、と評価できなくもない作品ではあった。個人的にはCGがちょっとどぎつすぎたが。

    2
  • 匿名さん 通報

    記事タイトルのあとに『ただしつぎはぎなうえ製作者自身のゴースト入ってないけどな』と付けたい。魂削り込もうとしてる部分もあったが諦めてサービスに徹することにした(させられた)んやな、と判断した。

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