牛乳石鹸のウェブCMが描く父親像に疑問の声 新井浩文「牛乳石鹸は嫌いにならないで」と反応
「牛乳石鹸」公式サイトより。

「父と子の絆」を描いた牛乳石鹸のウェブ動画に対して、ネット上で「どういう意図で作ってるのか理解できない」と疑問の声が続出している。

「あの頃の親父とはかけ離れた自分がいる」



議論を呼んでいるのは、2017年6月に父の日に合わせて公開された「与えるもの」編という動画。俳優の新井浩文さんが主人公の会社員を演じている。ゴミ捨てをしてから出社するスーツ姿の男性。家を出る前に妻からは誕生日の息子のために会社帰りにケーキを買ってくるように頼まれた。

男性は自分の子ども時代を思い出しつつ、「あの頃の親父とはかけ離れた自分がいる。家族思いの優しいパパ、時代なのかもしれない。でも、それって正しいのか」と独白。父親とは違って「家族思いの優しいパパ」になっていることに疑問を感じている様子なのだが、そこから男性は意外な行動を見せていく。

まず仕事帰りにケーキを買うものの、家に帰らずに後輩と居酒屋に入る。そして家族からかかってきた電話にも出ずに、後輩から「出なくて大丈夫ですか?」と心配される始末。家に帰って妻から「なんで飲んで帰ってくるかな」と責められると、風呂場へ逃げ出してしまう。風呂場で葛藤を「洗い流した」のか、最後は男性が謝って子どもと一緒に誕生日を祝い始めるところが映っている。

ネット上では動画に対して、「昭和的親父に育てられたアラフォー男性がロールモデルがいないまま現代的な父親像を模索している過渡期の葛藤みたいなことを言いたいのかなあ」という解釈が出た一方、「10年前なら、ゴミ捨てしてるなんていい旦那さんね〜となってたかも。でも、今の時代には残念ながらそぐわないね」という意見も。

作り手の意図が理解できないという声もあり、「これ夫がうつ病なのでは? 焦点の定まらないおぼろな目だし、異常な心理状態だと思う」という声や「実は子どもがすでに死んでいて、それでも誕生日を祝おうとする妻の言動に耐えられなくなった男の物語なんじゃないですかね」といった考察まで登場している。

動画への批判を受けてか新井さんは8月16日に「うちの事は嫌いでも、牛乳石鹸は嫌いにならないでくださいm(__)m」とツイートしている。