教師や保護者による体罰や虐待が社会問題化している中国で、小学4年生の男児が実の父親に、目を覆いたくなるような仕打ちを受けていたことが報じられ、波紋が広がっている。
「青年網」(7月1日付)によると、6月30日午後、雲南省昭通市の路上で全裸で歩く男児の姿が目撃された。

腕は縄でつながれ、中年男性がまるで犬のように縄を引っ張って、町中を練り歩いていたのだ。

 一部始終を目撃した付近の住民によると、男性は「俺は実の父親だ、こいつは家から100元(約1,600円)盗んだ上、学校にもちゃんと行かない。教育のためにやってるんだ!」と強弁。しかし、男児の全身にはまるで鞭で激しく叩かれたような傷もあり、日常的に虐待を行っていた様子だったという。

 その後、騒ぎを聞きつけて多くの人が集まり始めると、男性は男児をバイクに乗せ、現場から走り去った。

 しかし、この一件を捉えた動画がネット上で拡散。
ネットユーザーらによって地元警察に通報が寄せられたのち、男性は児童虐待の容疑で身柄を拘束されたという。

 今回の事件同様、中国ではネット上に映像が流出することで明らかになる残忍な虐待事件が少なくない。6月28日にも、縄にしがみついた3歳の女児が、今にも溜め池に沈んでしまいそうな映像がアップされた。映像には、縄にしがみつく女児に罵声を浴びせる母親の声も捉えられていた。

 子どもはあわやのところで付近の住民に救出され無事だったが、ネット上で映像が拡散したことから、母親は地元当局に拘束されている。母親は「夫との関係がうまくいかず、家事に疲れ、イライラを解消するため日常的に虐待を行っていた」と動機を語ったという。


 伝統的に家族の絆が強く、特に子どもは大切に扱われてきたはずの中国だが、何かが壊れ始めているのかもしれない。
(文=青山大樹)