松井秀喜外野手(38)が12月27日(日本時間28日)、米ニューヨークで会見を開き、現役引退を表明した。
松井は昨オフ、アスレチックスからFAとなったが、新たな所属球団がみつからないまま、今季のシーズンに突入。
しかし、スプリングキャンプを行っていないことも響いたのか、34試合出場、95打数14安打7打点2本塁打、打率.147と極度の不振で、7月24日(同25日)に戦力外通告を受け、8月1日(同2日)に自由契約となった。
その後、獲得する球団は現れなかった。オフになって、アストロズが指名打者要因としてリストアップしたようだが、オファーには至らず。松井の元にはどの球団からも声は掛からず、来季のプレー続行を断念した。
松井は引退の理由を、「今シーズンは3カ月くらいしかプレーできませんでした。
メジャーからオファーがなければ、日本に戻って、古巣・巨人への復帰の道も残されていたが、「10年前、ジャイアンツの4番バッターということに対して誇り、責任を持ってプレーしていたつもりです。もし戻ってプレーすることになれば、たくさんのファンの方が10年前の姿を見たいと思うし期待します。
松井といえば、昨オフも日本球界復帰がとりざたされたが、あくまでもメジャーに固執した。その大きな理由に、メジャーリーグの年金問題があるともいわれている。メジャーでは10年在籍すれば、満額の年金を受け取る資格が取得できる。その額は62歳受給で、17万5000ドル(現在のレートで約1513万円)。
年金は1年を172日のメジャー選手登録で計算され、その日数に満たない場合は減額されるが、今季の松井はメジャーで2カ月しかプレーできなかった。
松井のメジャーでのキャリアが昨季で終わっていても、年金は減額支給されるが、10年プレーしたことは、メジャーリーガーとしてステータスにもなる。その意味で今季チャンスを与えたレイズに、松井は感謝すべきではなかろうか。
松井は92年のドラフト1位で巨人に入団。高卒ルーキーながら、1年目に11本塁打を放った。2年目の94年からレギュラーの座を奪取し、毎年本塁打を量産。
日本で10年、メジャーで10年。
(落合一郎)