女性のキャリアについての気になる悩みや疑問に、正社員で長く働きたい女性のための転職サイト『女の転職type』編集長の小林佳代子が回答します。今回は「デスクワーク未経験からのリモートワーク」について。


(質問)
夏の通勤だけで体調を崩しそうです。デスクワーク未経験ですが、リモートワークができる仕事に転職できますか?

(回答)
厳しい暑さが続く夏、通勤だけでも体力を消耗しますよね。リモートワークはとても人気が高いので、デスクワークもリモートも未経験の場合、転職に向けた準備や段階的なステップが必要です。

詳しくは以下で解説します。

■憧れのリモートワーク、実際の求人数はどのくらい?
近年、リモートワークは急速に普及したように見えますが、女の転職typeに掲載されている求人数でみても、「フルリモート」の求人は全体の1割程度、「一部リモート可能」の求人を含めても3割ほどにとどまるのが現状です。その一方で、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を求める方は増えており、リモートワークの人気は高いままです。『女の転職type』が実施した調査でも、「企業を選ぶ際に魅力的に感じる制度や条件」として「リモートワーク制度」が1位でした。
「デスクワーク未経験」→「リモートワーク」に転職はできる? 実際の求人数は?【転職のプロが解説】
企業を選ぶ際に魅力的に感じる制度や条件は? (画像出典:『女の転職type』データで知る女性と仕事)

競争力の高いリモート求人に、デスクワークやリモート勤務が未経験の状態で挑戦する場合、「離れていても自律的に業務を進められること」や「オンラインでのスムーズな意思疎通」といった、リモートワークだからこそ重視されるスキルのアピールが必要になります。

■リモートワークの働き方をかなえる「3つのアプローチ」
「未経験からの完全リモートワーク」というゴールだけに絞ってしまうと、選択肢が狭まり、転職活動が長引いてしまうリスクがあります。少し視野を広げて、段階的に理想へ近づいていく「3つのアプローチ」を検討してみてはいかがでしょうか。

▼・アプローチ1:まずは「週数日のハイブリッド勤務」から始める最初から完全な在宅勤務を目指すのではなく、週に数日だけリモートワークで働ける求人を探す方法です。これなら、業務に慣れるまでは出社して対面で先輩から教わり、仕事の流れをつかんでから在宅勤務を増やしていくという、無理のないステップを踏むことができます。


▼・アプローチ2:雇用形態にこだわらず、まずはデスクワークの経験を積む契約社員や派遣社員からスタートし、スキルを身につけてから正社員のリモートワーク求人に挑戦する道もあります。雇用形態や勤務形態の組み合わせを少し変えるだけで、未経験からでも挑戦できる求人の幅はぐっと広がります。

▼・アプローチ3:リモートワークを導入しやすい「業界や職種」を狙う事務職のリモートワークは人気が高いため、競争率は高くなりがちです。IT業界などリモートワークを導入しやすい職種へのキャリアを計画的に考えてみましょう。

エンジニア職:未経験歓迎で研修制度がしっかりしている求人を狙う場合、これまでの経験から強みをアピールできるよう自己分析をしておきましょう。現在の仕事を続けながら、eラーニングや副業などでITスキルの勉強を少しずつ始めるのもおすすめです。

営業職:実はリモート可の求人で狙い目なのが営業職です。オンライン商談の増加に伴い、リモートができる求人が増えています。これまでの対人業務やコミュニケーションの経験を生かしたスライド転職がしやすいメリットもあります。

求人の数は決して多くはありませんが、段階的に在宅での勤務を増やせる体制を整えている企業は確かに存在します。全てを一度に求めようとせず、優先順位を決めて段階的に実現していくのも1つの手です。

■【体験談】未経験からリモートワークをかなえた! 2人の先輩のリアルな転身ストーリー
実際にデスクワークやリモートワーク未経験から、新しい働き方を手に入れた方たちの事例をご紹介します。


▼事例1:スーツの販売店員から人材紹介会社の営業アシスタントへこの方は転職によって年収が320万円から290万円へと一時的に下がりましたが、「夏の通勤負担を減らし、リモートワークを実現する」という優先順位が明確だったため、納得して選択されました。

入社後3カ月は出社して業務を学び、その後は週2日のリモートワークへ移行。業務に慣れれば週4日まで増やせる環境です。接客業で培った「相手の気持ちをくみ取って先回りして対応する力」や、店舗で数字を意識してきた姿勢が評価されました。さらに、入社3年目で350万円、5年目でリーダー職となり420万円を目指せるという、長く働き続けられる見通しが立ったことも、決断を後押ししたようです。

理想の働き方をかなえるために、別の条件を一時的に調整するという選択も、長い目でキャリアを考えれば、自分を守るためのとても賢明な選択と言えます。

▼事例2:ジュエリーの販売スタッフから生命保険会社のカスタマーサクセス職へこの方は入社後半年間は出社して研修を受け、その後週2日のリモートワークとなりました。対面での接客経験に加え、学生時代にコールセンターでのアルバイト経験があり、電話対応に抵抗がないと判断されたことが強みとなりました。

さらに、前職での個人売上が直近で全国1位という確かな実績や、面接に向けて企業のことを深く研究してきた熱意、志望度の高さが企業側に高く評価された結果です。

■「正しい答え」は人それぞれ。心と体の健康を最優先にするキャリアの描き方を
転職活動において、優先したいことは人それぞれです。年収を維持すること、体調を最優先にすること、新しいスキルを身につけること——。
そのどれもが大切な価値観であり、何を選ぶかは自身で決めていけます。
今の段階で「絶対にフルリモートの仕事がいい」と視野を狭めずに、まずは少しずつ、週数日のリモートが可能な求人を眺めてみたり、興味のある職種の基礎知識に触れてみたりすることから始めてみませんか。すぐに転職先が見つからなくても、焦ることはありません。あなたの心と体の健康を大切に、長く働ける環境が見つかることを願っています。
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