立教大学が「キリスト教教育連携校」という制度を始めました。第一弾として、横浜女学院と酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校と連携すると発表し、注目されています。


■「付属校」「系列校」「連携校」——立教大学における位置付けの違い
「大学だけでは学びは完結しません。高校との連携が必要となっています。そこでキリスト教の精神をもとにした教育という志を同じくする高校と、連携をすることになりました」と話すのは、立教大学統括副総長の石川淳教授。

立教大学は同じ法人に付属校の立教新座と立教池袋があり、これらの高校から立教大学への進学率は85%ほどです。

そして、立教大学とは法人は異なりますが、同じ日本聖公会というプロテスタントの教派に属する立教女学院と香蘭女学校は「系列校」であり、立教への進学率は70%程度です。

ここに今回、プロテスタント校との「キリスト教教育連携校」という枠組みが新しく生まれました。プロテスタントに基づいた教育をする高校と立教大学が連携していくということです。

つまり大学との関係性は、同じ学校法人の学校が「付属校」、同じ日本聖公会という教派の学校が「系列校」、そしてプロテスタントという大きな枠組みでの協力関係が「連携校」となります。

「横浜女学院は以前から指定校推薦の実績があり、学部によっては個別の連携も行われてきた経緯があります。こうした継続的な生徒受け入れの実績が学校間の信頼関係を築き、今回の連携に結びつきました。異文化コミュニケーション学部では模擬授業を実施した実績もあり、今後も交流が続く可能性があります」(石川統括副総長)

■なぜ北海道の高校と? 連携の経緯と大学側が明かす「年内入試」の方針
一方、酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校との連携は、当初から高校単位ではなく大学間の協定として始まった点が特徴です。

「2026年度より新しく開設した環境学部が、まず酪農学園大学と教育・研究分野で提携し、そこから附属のとわの森三愛高校との連携へと発展しました。
地方からの入学者を増やしたいという思いもあります」(石川統括副総長)

酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校とは、まず、立教大学と酪農学園大学が連携し、そこからとわの森三愛高等学校と交流が始まり、連携に至ったとのことです。

連携校は推薦の枠を得ることになります。今後もこういった連携校を増やしていくのでしょうか。

「立教大学は規模が特別に大きい大学ではありません。定員のキャパシティもあるので、どんどん連携校を増やし、年内入試を拡大するという方針ではありません」(原正福入学センター課長)

数年前から、メディアやインフルエンサーが「推薦・総合型選抜が拡大」という情報を拡散しています。確かに中堅層の大学では年内入試が主戦場になっています。ただ、そういった中堅層の大学で拡大しているのは「年内学力入試」という学科試験重視の総合型選抜だという事実があります。

しかし、早慶上智やMARCH、成成明獨武といった難関私立大学群は、しばらくは年内入試を急速に拡大する方針ではないように見えます。依然として一般選抜が主戦場なのです。

それと同時に、付属校、系列校、連携校からの内部推薦や指定校推薦で早慶上智やMARCHに進学することは、決してハードルが低いわけではありません。

中学受験でも高校受験でも早慶MARCHの付属校入試は難関で知られますし、指定校推薦を獲得するには高い評定平均値を維持し続ける必要があり、そう簡単なことではないからです。

立教を含め、MARCHと呼ばれる難関私立大学に入るために「楽な道」はないということが、今回の取材を通して改めて確認できました。


この記事の執筆者: 杉浦 由美子
キャリア20年の記者。『女子校力』(PHP新書)、『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)など単著は14冊。『ダイヤモンド教育ラボ』、『ハナソネ』(毎日新聞社)『マネーポストWEB』(小学館)などで取材記事を寄稿している。趣味は取材。

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