[文]濱田廣也(編集部)
あのマイケル・ジャクソンの伝記映画が製作されると聞いたとき、誰もが期待と不安を抱いたのではないだろうか。いったい誰がマイケル役を? どのような脚本に?
『Michael/マイケル』が全米で公開された直後、海外メディアでは批判的な作品評が複数出た。
これに対しすぐに反論が巻き起こり、スパイク・リー監督をはじめ作品を高く評価する声が圧倒的になった。この一連の動きを見て、マイケルは死してなお無理解なメディアやジャーナリスト/批評家に踏みにじられなければならないのかと悲しくなった。マイケル・ジャクソンという存在があまりにも巨大になってしまったゆえの悲劇だ。
本作のエグゼクティヴ・プロデューサーのリディア・シルヴァーマンは、マイケルという伝説的人物を「ひとりの人間として」描くことが本作の核心であるという。プロデューサーのグレアム・キングも同じく「ひとりの人間としての自由をめぐる葛藤を描きたかった」と語った。前人未到の偉業を成し遂げた圧倒的なエンタテイナーとしての姿と、苦しみもがきながらも前へと進むひとりの人間としての姿。その両方を描き切ることが重要だった。
ジャファーの演技は真に迫るものだ。それは単にマイケルに見える瞬間があるとかそういうことではない。監督のアントワーン・フークアは「マイケルを真似ることはできない。ジャファーが成し遂げたのは、その瞬間を全身で生きること、そしてマイケルがあらゆることに注いでいたのと同じ前向きな精神をそこに持ち込むことだった」と語った。その言葉のとおり、ジャファーはマイケルが生み出した極上のエンタテインメントを再び体験させてくれた。マイケルの動きを忠実に身につけた上で、ジャファー・ジャクソン自身のパワフルなエネルギーが発散されたパフォーマンスを見せた。私は映画『リスペクト』でアレサ・フランクリンを演じたジェニファー・ハドソンを思い重ねた(そういえば同作もアリサの大きな転機となった『アメイジング・グレイス』の録音時期でバッサリと終わっていた)。
マイケルの子供時代を演じたジュリアーノ・クルー・ヴァルディも素晴らしかったが、本作でひときわ光るのは父ジョセフ(ジョー)を演じたコールマン・ドミンゴだ。
本作最大の見どころは終盤のライヴ・パフォーマンスと断言していいだろう。“圧倒的な没入感”という言葉を躊躇なく使いたい。私はマイケルのステージを生で観ることは叶わなかったが、マイケルの曲を全身に感じながら歓喜の渦に呑まれる体験を本作はもたらしてくれた。スクリーンに映ったステージを見上げながら興奮し、しばらく高揚感が収まらなかった。これはぜひ映画館で体験してほしい。あなたに最高の開放感と前へと進む力を与えてくれるはずだから。
※文中の製作者の発言はすべてプレスリリースより引用しました。
『Michael/マイケル』6月12日(金)全国公開!
監督:アントワーン・フークア(『イコライザー』シリーズ、『トレーニング デイ』)
脚本:ジョン・ローガン(『アビエイター』『グラディエーター』)
製作:グレアム・キング(『ボヘミアン・ラプソディ』)、ジョン・ブランカ、ジョン・マクレイン
出演:ジャファー・ジャクソン、ジュリアーノ・クルー・ヴァルディ、コールマン・ドミンゴ、ニア・ロング、ケンドリック・サンプソン、マイルズ・テラー、ローラ・ハリアー、ケイリン・ダレル・ジョーンズ他
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ
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公式HP:www.michael-movie.jp 公式X:x.com/michaelmoviejp
公式Instagram:www.instagram.com/michaelmovie.jp/
投稿 映画『Michael/マイケル』を観る ひとりの人間を描くことに妥協しない極上のエンタテインメント は ブルース&ソウル・レコーズ に最初に表示されました。


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