2025年に初開催され、日本最大の怪談祭りとして大好評を博した“怪談”の大型リアルイベント『Tokyo Kaidan Collection』が、今年もさらに規模を拡大して開催される。今年は俳優陣に加え、実力派声優陣も参加し、人気怪談師オールスターによる講談も交えた豪華なプログラムとなる。
【写真】檀れい&阪口珠美、美の競演!
◆声だけで物語を紡ぐ「牡丹灯籠」への挑戦
――まず、今回のイベントで「牡丹灯籠」という誰もが知る題材を朗読劇として表現されるにあたり、現時点でどのような意気込みをお持ちでしょうか?
檀れい(以下、檀):まだ皆さんと顔を合わせたばかりで、声も合わせていない状態ですので、これから演出によってどう形作られていくのか楽しみです。普段は体や表情を使って演じている分、どれだけ声だけで飯島露という人の心をお伝えできるのか、これは私にとって大きな挑戦です。声優さんをはじめとする様々な方とご一緒できるので、どんな化学反応が起きるのか今からとても楽しみですね。
阪口珠美(以下、阪口):私は「牡丹灯籠」という怪談の名前こそ知っていましたが、詳しいお話は今回改めて調べました。すごく怖いお話ではあるのですが、その中にある儚さや強さをとても感じたので、その魅力を朗読劇という声の表現で精一杯お届けしたいです。飯島露という役をただの怖い役で終わらせず、皆さんから共感していただけるよう、お稽古を通じてしっかり研究して頑張りたいと思いました。
――声だけで表現するという点において、新たに期待していることや、難しさを感じる部分はありますか?
檀:音声だけで伝えるからこそ、劇場に足を運んでくださったお客様の脳裏に、それぞれの情景がしっかりと浮かべばいいなと思っています。普段の演技では表情や体が助けてくれる部分が大きいですが、それを取っ払うと、頼れるのは発する声の音色や強弱、緩急など表現の仕方だけです。非常に難しい挑戦ではありますが、普段とは違う形で声を使うことの面白さを感じています。
阪口:話し方や間、呼吸など学ぶべきことがたくさんあります。
◆檀れいと阪口珠美が捉える「飯島露」というキャラクター
――お二人が演じる飯島露という人物を、現段階ではどのように解釈し、命を吹き込もうと考えていらっしゃいますか?
檀:新三郎さんに一目惚れをし、恋焦がれたまま亡くなってしまった女性です。会いたいという思いを抱いたまま死んでしまい、死後もなおその思いを遂げるために牡丹灯籠を持って訪ねていく――その思いの強さやまっすぐさは本当にすごいなと。ある意味でとても純粋ですし、そこまで強い思いを抱くからこその怖さもあります。最後の追い求めていく姿をどう表現するかは悩ましいところですが、私も「怖いだけにはしたくない」という思いは同じですね。
阪口:本当に一途で繊細、そして可愛らしい女性だと思います。その一途さを表現したいですし、憎しみや恐怖というよりも、「会いたい」という純粋な気持ちで物語が進んでいくことの恐ろしさ、そして儚さや美しさなど、色々な面をお見せできたらなと思っています。
――お2人は、ホラー作品に対しては普段どのような印象をお持ちですか?
檀: 私は本当にホラーが苦手なんです!ホラー映画も怖いもの見たさで観てしまいますが、見終わった後も数日間ずっと怖さが残ってしまって……。特に夜なんて、色々と思い出してしまって、観てしまったことを後悔します(笑)。まさか自分が「牡丹灯籠」で演じる側になるとは思っていませんでしたが、神田明神にお祓いに行って「少しできるかも」という気持ちになりました。でも、お化け屋敷のように自分が怖い格好をするわけではなく、朗読劇で怖がらせる側(あるいは伝える側)で本当によかったなと思っています。
阪口:私も少し苦手ではありますけど、「楽しい」が勝つタイプですね。
檀:ちなみに、私が一番怖いと思ったのは「リング」の貞子が井戸から這い上がってテレビから出てくるシーンです。あんな深い井戸から這い上がってきたら爪も剥がれるだろうに……とか、またそこに人間を突き落とした側の怖さとか色々と想像しちゃって、もう本当に怖いです。
阪口: 私は作品でいうと「新感染 ファイナル・エクスプレス」がすごく衝撃で、今でも新幹線に乗るたびに思い出してしまいます。ちょっとした音でもドキッとしちゃいますね。
◆思わず夢中になってしまう「好きすぎてしんどい」こと
――少し話題を変えまして、最近「好きすぎてしんどい」と感じてしまうような、ハマっていることはありますか?
檀:配信系のドラマを見ると本当にダメですね。次に気になるようにうまく作られているから、夜の11時に「ご褒美として1話だけ」と思っても、終わりのボタンが押せなくて……気がつくと朝の3時や4時になっていて、「なんてダメな人間だなぁ」と落ち込みつつ見てしまいます(笑)。海外のものもよく見ていて、最近では「哲仁王后~俺がクイーン!?~」という韓国のドラマにハマっています。現代の男性シェフが王妃に乗り移るのですが、王妃なのに足を開いて座ったりするチャーミングな姿が面白くて、「好きすぎて滅」という感じでした。
阪口: 私はキティちゃんですね。ガチャガチャを見つけると、集め出したら止まらなくて、とにかく全部揃えたくなってしまいます。見かけるとつい買っちゃいますね。
◆ダブルキャストとしての思いと、異ジャンルへの期待
――今回は同じ「飯島露」をダブルキャストで表現されますが、お互いにどのような期待や思いをお持ちですか?
檀:私、今までダブルキャストを経験したことがないんです。だから今回初めて、1つの役をそれぞれの解釈や表現で分け合うことになります。阪口さんが露をどう演じるのかすごく楽しみですし、私にはない感性をたくさんお持ちだと思うので、それぞれの個性が出ればいいなと。私もたくさん学ばせていただきたいです。
阪口:檀さんと同じ役をさせていただけるのが本当にありがたくて光栄です。もちろん檀さんのようにやりたいという憧れはありますが、絶対にできないので、自分なりの解釈で自分なりの飯島露ができたらいいなと思っています。ご一緒の回はなくても、たくさん吸収させていただきたいと今からワクワクしています。
檀:舞台というのは、稽古では湧いてこなかった感情が本番で湧き上がってくることもありますし、絶対に同じ公演というのは1度もないと思っています。新三郎を演じる崎山つばささんたちとのやり取りも含め、4回の公演を通じてどんどん濃密なものにし、その日その回だけの「牡丹灯籠」にしていきたいですね。
――今回は俳優と声優が同じステージに立つユニークなイベントですが、その枠組みについてどのように感じていらっしゃいますか?
檀:私たちのカップルは俳優ですが、もう一つのカップルは声優さんが演じられます。普段アニメーションや誰かの演技に声を当てている声優さんたちが、絵や表情という道しるべがない表舞台でどう表現されるのか、すごく楽しみです。声のプロから「声の表現とはこういうものだ」というのを少しでも吸収したいという楽しみがありつつ、「いやいや、演じるプロの私たちも負けてられないぞ!」といういい意味での刺激を持って高め合っていけたらいいですね。
阪口:私もこの2日間で別の方々とご一緒するので、色々なパターンを楽しんで自分なりの強さで頑張りたいです。声優さんからもたくさん学びながら、お稽古から全力で臨みたいと思います。
――最後に、公演を楽しみにしているお客様へ向けて、お一人ずつメッセージをお願いします。
檀:事務所を独立してから初めて皆さんの前に登壇できるのが、この「牡丹灯籠」の舞台となります。「檀ちゃんどうしているかな」と思ってくださっている方にもぜひ楽しみにしていただける作品ですし、私自身も久しぶりにステージに立ってお客様にお会いできるのが本当に楽しみです。個人的にも思い出深い作品になると思いますので、この暑い、暑い夏を、この「Tokyo Kaidan Collection 2026」の舞台で少しでも涼しく、そして面白く感じていただけたらうれしいです。精一杯務めます!
阪口:『Tokyo Kaidan Collection』ならではの、朗読劇ならではの不気味さや恐怖を存分に楽しんでいただきたいです。「牡丹灯籠」の怖いだけではない切なさや儚さを表現できるように頑張ります。また、怪談師の方々のお話も私自身すごく楽しみにしているので、ぜひワクワクしながら劇場に遊びに来てください! お待ちしております!
(取材・文:磯部正和 写真:曳野若菜)
「Tokyo Kaidan Collection 2026」は、8月9日まで東京・よみうり大手町ホールにて上演。

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