レビュー

運転免許の住所変更、積み重なった未読本、子どもの進路への不安――。これらは、要約者自身が抱えている「気がかり」のごく一部である。

さっさと片付ければいいとわかっていながら、なぜか放置したままになっている。こうした「気がかり」を抱える人は、決して少なくないはずだ。本書は、そんな心に澱のように溜まった気がかりをゼロにするメソッドを提示する一冊である。
著者の山田智恵氏は、「ミーニング・ノート」というジャーナリング法など、内省を習慣化するプログラムを開発してきた。これまで大手メーカーや監査法人、ビジネススクール、大学、オンライン教育サービスといった多様な現場で5000人以上の行動変容を支えてきた実績を持つ。
本書の最大の魅力は、実践へのハードルが極めて低い点にある。「書き出す→仕分ける→具体化する→片付ける→振り返る」というシンプルな5ステップを年に2回実践するだけだ。所要時間も、「具体化する」までで1時間、「片付ける」に1ヶ月、「振り返る」に30分と短く、多忙な現代人でも無理なく生活に組み込める。
真のゴールは、気がかりの解消そのものではない。気がかりをゼロにすることで頭と心に余白を生み出し、「本当にしたいこと」を浮かび上がらせ、それを実行する点にある。「気がかりをゼロにすれば、人生が動きだす」という著者の言葉は、日々の停滞感に悩む人にとって一筋の光となるだろう。
やるべきことの多さに圧倒されている人や、最初の一歩が踏み出せずにいる人に、ぜひ一読してほしい。

本書の要点

・最小限のエネルギーで「気がかり」を片付けるためには、気がかりを書き出す→仕分ける→具体化する→片付ける→振り返るという5つのステップが有効である。
・仕分けるステップでは、行動力を上げるために、気がかりを「自分でできる/他者も関わる」「すぐ終わる/時間がかかる」の2軸で4つのゾーンに分ける。
・やりたいことがあるのに動けない場合、その多くは具体化不足が原因だ。具体化のポイントは、「大きさと量を自分に合わせる」ことである。



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