【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】


 連日のように猛暑日、酷暑日が続き、日本列島全体が暑さでたいへんなことになっている。


 が、そんな時季に思うのは、女優さんたちが涼しい顔で撮影に参加しているという凄さだ。


 その昔、女優の小川真由美(86)に取材したことがあるが、その際、「ジッと見てるけど、私の顔に何かついてるの?」と言われた。中年と言われる年齢をとうに過ぎていたのに、「いえ、年齢よりも、はるかに肌がきれいだと思って見とれてしまって……」と返すと、「何言ってんの」と笑い出した。僕が「それに暑い日なのに汗もかいてませんよね」と続けると、こう答えた。


「暑いロケ現場で衣装の中はびっしょりに濡れても、不思議と顔だけは汗をかかないのよね」


 そんなはずはないが、メークさんも含めて対策をしているに違いない。


 役者の中にはビックリするような人もいる。役者出身で番組で一緒だった井口成人リポーター(75)は、真夏の炎天下、「城ちゃん、こんな暑さでもオレは鳥肌を立てることができるんだ。見てろよ」と言って僕の目の前に腕を出してきた。そうして、ものの1分も経たないうちに見事に鳥肌を立たせてみせたのだ。


「これは訓練でできるようになるんだ。以前、役者の勉強でニューヨークに行った時に習ったんだよ」


 驚きで声が出なかった。過去の記憶から、寒さや恐怖などを鮮明に思い出して鳥肌を立たせるのは、メソッド演技法の基本のようだ。



寒い中で水着でロケをしていた藤原紀香は、こちらの質問に対してしっかり立ち止まって話してくれた

 逆に寒い中で水着でロケをしていた藤原紀香(55)を撮影終わりに呼び止めたことがあった。

僕としては、ひと言ぐらい答えてくれればいいと思っていたのに、律義な彼女はしっかり立ち止まって話してくれた。


 一区切りしたところで、「寒いのにすみませんでした」と言うと、彼女はにっこり笑顔。後ろに待機していたスタッフが、大慌てで用意していた毛布で彼女の体を包んでいたことを思い出す。


 ドラマや映画の撮影は冬に夏の映像を撮ったり、夏に冬の映像を撮ることもしばしば。役者というプロは、どんなに状況が過酷でも平気で仕事をこなさなくてはならないのだ。


 いや、どの世界の人でも一流どころはそういうものなのだろう。


(城下尊之/芸能ジャーナリスト)


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