8月2日、9日と「ザ・ノンフィクション」(フジテレビ系)で「クズ芸人の生きる道」が放送された。これは、2020年、2025年に続き、元ガッポリ建設(昨年12月末、コンビ解散)の小堀敏夫(59)を追った第3弾。

ジャイアンツの帽子をかぶった男は、もはや番組のエースとなっている。


 第1弾は、ギャラ飲み(芸人が酒席をともにして報酬を得ること)とパチスロを優先するあまり芸事がおろそかになり、2019年末に約16年所属していた「WAHAHA本舗」からクビ宣告を受けた。


 5年後の第2弾は、逆玉を狙って婚活を始めるも成就せず。思いつきで元相方の室田稔に「ラーメン店をやりたいから、100万円を貸してほしい」と頼み込んだが、修業初日で寝坊しクビに。その後、「出家したい」と頭を丸刈りにし、室田の口利きで修行先の寺院を紹介してもらうも2日で逃げ出してしまった。


 今回の放送は、そんな小堀が改めて笑いと結婚に向き合う模様に迫っている。「キングオブコント2025」出場を決意し、またも室田のつてで大会王者のビスケットブラザーズにネタ作りを依頼。激戦区を避け北海道で1回戦に挑むが、あえなく敗退する。


 一方で、小堀を慕う女性と出会い、母親に紹介する展開まで見せた。第1弾では「(結婚は)嫌ですよね、責任を押し付けられるの」と口にしていた小堀。常に「今」しか見ない奔放な生き方は現在も健在だった。


 先月は「水曜日のダウンタウン」(TBS系)の「ザ・スベリドリームマッチ」でモグライダー・芝大輔と組んで優勝。

小堀いわく、テレビ出演するたびにギャラ飲みのオファーが「一気に増える」という。良くも悪くも、金に正直な人なのだ。


 もともと小堀は落語家出身。1992年に3代目・三遊亭円丈に入門し、前座修業中から仲間で分けるべき金に手を付け、二つ目昇進時には先輩からもらった祝い金80万円を持って逃走。1997年、前座時代に知り合った室田とコンビを結成し、ボキャブラで人気を博したコンビ・MANZAI-Cの個人事務所「フリーフォークス」(後に「ABCプロモーション」現・エイビーシーエージェンシー)に所属する。


 アルバイトを転々とする中、2003年からWAHAHA本舗に移籍。「エンタの神様」(日本テレビ系)で知名度を上げ、「あらびき団」(TBS系)でパンダの着ぐるみを着た“パンダーズ”として出演し話題に。しかし、順風満帆な日々は長く続かず、困窮した小堀は栄養失調に陥る。以降、ギャラ飲みとパチスロを「真剣にやるようになった」という。


 小堀は寺院での修行体験中、「先行逃げ切りで。勝つときはそうやって勝ってきた」と口にしていた。日常では二枚舌を使うが、その生き方はすがすがしいほど嘘がない。

だからこそ、「ザ・ノンフィクション」は何度も彼を追いかけてしまうのだろう。


(鈴木旭/お笑い研究家)


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