そんな宇垣さんが映画『四月の余白』についての思いを綴ります。
再生と希望を描いた人間ドラマを宇垣さんはどのように見たのでしょうか?(以下、宇垣美里さんの寄稿です)
正しいかもしれないけど優しくない思考
猫には優しいのかもしれないけど、授業を妨害したり誰かを殴ったりする人のこと、どうしたって私は怖い。
実は優しいところがある人よりも、ずっと優しい人のほうが偉いに決まっている。でも今は、正しいかもしれないけど優しくないこの思考では救えない人のことを、ずっと考えている。
非行に走ろうとする子どもに手を差し伸べる元受刑者
ある日、中学教師の冬子から手に負えない生徒・海斗の相談を受けた西は、彼を「みらいの家」に引き取ることに。しかし、海斗は施設での共同生活の中でも幾度となく問題を起こし、脱走した挙句に傷害事件を起こし逮捕されてしまう。
それでも更生を信じ、海斗と向き合い続ける西だったが、メディアによって西の過去が報道され、「みらいの家」は存続の危機に直面する。
「本当にこの人は更生したのだろうか?」という疑問
そんな海斗に体当たりで向き合う西もまた、くしゃっとした表情がかわいらしく“いい人”みたいに見えるのに、取材に来た記者への表情や後に発覚する過去に起こした残虐な事件、有名人に対する浮足立った対応から、いまいち信じ切ることができず、ずっと「本当にこの人は更生したのだろうか?」という疑問がぬぐえない。
過去が許されることなどあるのか?
それでも、たとえ自分ひとりでは人の痛みを理解することはできなかったとしても、あの人がどう思うだろう、と誰かを軸に置くことで善良な決断を下せるようになることはできると思う。
少しの希望を感じさせるラストに、何か祈りのようなものを感じた。
『四月の余白』
配給/アークエンタテインメント 新宿ピカデリーほか全国公開中 ©2026 N.R.E.
<文/宇垣美里>
【宇垣美里】
’91年、兵庫県生まれ。同志社大学を卒業後、’14年にTBSに入社しアナウンサーとして活躍。’19年3月に退社した後はオスカープロモーションに所属し、テレビやCM出演のほか、執筆業も行うなど幅広く活躍している。
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