ブラジル中部のマトグロッソ州議会議事堂の正面ドアから、のしのしと入り込んできたのは2匹の野生のカピバラだ。
議事堂では議員たちが投票の準備を進めている最中だった。
カピバラたちはタイル張りの床を歩き、受付の方へ向かったが、セキュリティゲートに行く手を阻まれた。
その後は暴れることもなく、職員の手によって穏やかに近くの公園へと誘導されたという。
ちょっと政治に物申しに来たのだろうか?
州議会議事堂内に現れた2匹のカピバラ
2026年7月30日、マトグロッソ州クイアバにある州議会議事堂で、 議員たちが別の部屋で投票の準備を進めるなか、世界最大のげっ歯類であるカピバラが2匹、建物の正面ドアから堂々と入ってきた。
カピバラたちは、議会の受付エリアのタイル張りの床をゆっくりとマイペースで歩いていた。
職員のナヤラ・ブエノ氏が撮影した動画には、カピバラたちがまるで自分たちも公務に携わっているかのように、落ち着き払って建物のなかをうろつく姿が映し出されている。
セキュリティゲートに阻まれ、職員が外へ誘導
カピバラたちは、受付エリアから中に侵入しようとしたが、セキュリティゲートによって、奥へ進むのを阻まれてしまった。
カピバラたちはパニックになることも暴れることもなく、ブエノ氏をはじめとする従業員たちによって建物の外へと穏やかに誘導された。
外に出たところで3匹目のカピバラが合流し、彼らは揃って近くの公園へと戻っていった。
カピバラの予期せぬ乱入による被害はゼロで、負傷者も出ないし、建物に被害が及ぶことは一切なかった。
議事堂前の噴水がお気に入り。周辺の環境と生態
カピバラも政治に関心を持ちはじめ、積極的に参加しようとしたのだろうか?もしや新たに議員として立候補しに来たとか?
というわけでもなさそうだ。
実は、議事堂のすぐ近くには野生のカピバラが生息する「アグアス公園」がある。
ブエノ氏によると、普段から議事堂周辺には多くのカピバラが暮らしており、 夕暮れ時になると、カピバラたちはいつも通りを渡って議事堂の目の前にある噴水に水浴びをしにやってくるそうだ。
なので、そのついでに立ち寄っただけなのかもしれない。
人間の生活圏で暮らすブラジルのカピバラたち
カピバラは南米原産の世界最大のげっ歯類で、ブラジル国内にも数多くの野生個体が生息している。
非常に社会性が高く、環境への適応能力に優れている。
本来は自然の中の水辺のある草原や湿地帯に生息しているが、近年では、サンパウロなどブラジルの大都市にある公園にまで進出し、人間の暮らす都市環境に定着しているという。
都市部では、カピバラが人間の作った横断歩道を学習して堂々と利用する姿も目撃されており、人間のルールに順応しながら生活している。
カピバラは日本でも人気の温厚でかわいらしい動物だが、野生のカピバラは重篤な感染症を媒介するマダニを宿していることがあるため、ブラジルではむやみに近づいたり触ったりせず、適度な距離を保つことが推奨されている。
人間側がしっかりと境界線を守ることで、ブラジルの人々はカピバラとうまく共存しているようである。
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