追いかけられたらアウトかな。ついにロボットが人類の最速記録を超えてきた。
中国のロボット企業ユニツリーが、秒速12.66mで走る人型ロボット「スーパーマン」の動画を公開した。陸上100m走の世界記録保持者、ウサイン・ボルト選手を抜ける速さである。
加えて2mもの跳躍力まで見せつけていた。開発期間はわずか3カ月あまりだという。
俊足に一見みえない独特なフォームも印象的だが、ユーザーからは「不気味だけど欲しい」「ターミネーターがドキュメンタリーになる」といった声が集まっている。
秒速12.66m!ボルトを超える俊足ロボット
2026年8月17日、中国杭州に本社を置くロボット開発企業、ユニツリーが新型の人型(ヒューマノイド)ロボット「スーパーマン」を発表した。
動画はまず2mの垂直跳びから。見ためからは想像できない身軽なジャンプだ。
「脚の長さは0.85m」とのキャプションもあったが、足を長くしてズルしてません、ちゃんと跳んでますよ、という意味なのだろうか。
続いてメイン。最高時速 秒速12.66m(時速45.6km)の俊足だ。
”あたふたロボット”っぽいガチャガチャ走りだが、速いんだなこれが。
この秒速12.66m(時速45.6km)という数字は、2009年8月、世界陸上選手権で人類初の100m9秒5台を出し優勝したウサイン・ボルト選手の最高速度、秒速12.27m(時速44.17km)を上回る。
人類の垂直跳びの世界記録は、2021年にクリストファー・スペルさんが樹立した1.70m。スーパーマンはどちらの記録も超えたことになる。
ただしこれらの記録は、いずれもユニツリーの自己申告値で、第三者機関の検証を経ていないという見解がある。
開発期間3カ月!驚異のスピード
開発期間はなんとわずか3カ月。2026年3月、ユニツリーの創業者である王興興氏が、人型ロボットが2026年半ばまでに人類の走行記録を超えると予測していたが、現実の発表はさらに早いものだった。
技術の進化もハイスピードだ。その1か月後の4月には、既存モデル「H1」が陸上競技用トラックで秒速10.1mを記録。そこから1年かからずに12.66mまで記録を伸ばした。
生産体制も拡大している。ユニツリーは2026年8月12日時点で、約1万8000台の人型ロボットを生産したと発表した。
調査会社Smart Analytics Globalによると、ユニツリーの2026年上半期の出荷台数は約5900台と、前年の同じ時期と比べ170%増え、世界出荷台数の31%を占める伸びをみせた。
だが上海のライバル企業アジボットが同時期に、出荷数8400台で世界シェア44%を獲得。結果、ユニツリーは2位になるなど、業界では目まぐるしいトップ争いが繰り広げられている。
勢いづく中国ロボット産業
今回の発表は、話題作りを狙ったとの見方もある。スーパーマンの発表は、ユニツリーにとって、上海証券取引所での新規上場直前のタイミングだった。
調達額は約9億400万ドル(約1433億円)で、汎用ロボット企業が中国本土の株式市場に上場するのは、ユニツリーが史上初のことだという。
さらに発表直後もイベント続きで、8月19日からは「2026世界ロボット大会」が開かれ、同月22日からは第2回「世界ヒューマノイドロボット競技大会」が開幕する。
ユニツリーは、第1回世界ヒューマノイドロボット競技大会で400m走やハードルなど4種目を制した。当時の最高速度は秒速4.78mで、その数字と比較しても、たった1年足らずで、速度が2倍以上に伸びている。
こうした急成長の背景には、中国政府の支援がある。中国は2025年、AIロボティクスなどのハイテクに、今後20年まで官民合わせ1兆元(約23兆6000億円)の投資を呼び込む政府系ファンドの設立を発表した。
対照的に、ロボティクス分野の国家戦略を持たないアメリカは、2026年7月末に安全保障上の懸念から、外国製人型ロボットの輸入禁止措置に踏み切った。
記録だけではない実用化の壁
とはいえ実用化への道は厳しく、記録だけでは開けない。
業界アナリストの馬継華氏によると、高速走行や高いジャンプ力といった極端な性能テストは、ハードウェアとソフトウェアの両面、および全身の協調動作への「ストレステスト」として機能する。
専門家も、こうした運動性能の向上が、悪路走行や災害対応ロボットとしての活用につながりうるとみている。
ただし記録集めが実用化の早道なんてことはない。重要なのは、信頼性や実際の環境への適応力であり、そうした面では課題が残る、というのが専門家らの共通見解だ。
別モデルの事故で安全面に不安も
カラパイアでも過去にいくつかお伝えしてるが、ユニツリーの人型ロボットをめぐっては、実用面の不安が残る事故が時折起きている。
2025年12月に「G1」型ロボットが男性の股間を蹴り上げる悲劇的な場面が拡散、2026年3月にはイベント中にG1型ロボットが、若者の顔を蹴る事故、6月にも演武中のG1型ロボットが、誤って子どもの腹部を蹴る事故が発生している。
いずれもスーパーマンとはモデル違いの事案だが、同社製ロボットへの安全面への不安は依然としてある。
米ルイビル大学のロマン・ヤンポルスキー准教授は、今後このような事案がより高リスクの用途で起きた場合、もはや失敗では済まされない、深刻なシステム故障扱いになる、と警鐘を鳴らす。
「暗闇から追ってきたら」「ターミネーターがドキュメンタリーに」の声
確かに秒速12.66mは人類未踏の到達点だ。といっても人間が暮らす現実社会で、”超人”スーパーマンの俊足や並外れた跳躍力はどんなシーンで役立つのだろう。
この話題はSNSでも拡散し、Xでは再生数110万回を超えた。海外の視聴ユーザーからは、超人ロボットに賞賛の声もあったが、SF映画「ターミネーター」を連想する声も多かったようだよ。
- 政府が詐欺まがいのことじゃなく科学技術を優先すればすごいものができるってこと
- アメリカに国家戦略がないなら簡単な方法がある。中国製品を締め出せばいい
- ロボットオリンピックってついこの前やったよね?あれは毎年なのか
- 映画かよ
- どこかでこの走り方見たわ
- 交渉も理屈も通じず、同情も後悔も恐怖も感じない。しかも絶対に止まらないっていう
- 不気味だけど欲しい
- こんな速さで暗闇から自分めがけて追ってきたら怖いって
- 映画ターミネーターはいつかドキュメンタリーになる
- いつかじゃなくて、もうなってるって。あのスピードとジャンプ力だよ?商業化まであと数年ってとこでしょ
Amazon : yooyeetoo ユニツリー G1 ヒューマノイドロボット 二足歩行 23自由度 AI音声対話 深度カメラ LiDAR 標準完全装備モデル(G1)
References: Video: Unitree's humanoid claims to outrun Usain Bolt and jump 6.5 feet vertically[https://interestingengineering.com/ai-robotics/china-superman-humanoid-speed-records] / Guinnessworldrecords[https://www.guinnessworldrecords.com/world-records/highest-standing-jump] / Nypost[https://nypost.com/2026/08/18/tech/superman-robot-allegedly-outruns-usain-bolt-in-uncanny-video/]











