アフリカ・ルワンダの国立公園で、野生の5頭のゴリラたちが、小さなカメレオンを興味津々に観察する微笑ましい映像が撮影された。
カメレオンとは比べものにならないほど大きく、力も強いゴリラの若者たちは、小さな爬虫類を取り囲み、時に指先でそっと触れながらも、傷つけることなくじっと見つめている。
ダイアン・フォッシー・ゴリラ基金が公開した動画には、ゴリラが小さな生物に対する慎重にやさしく接する姿がとらえられていた。
5頭の若いゴリラが見つめていたもの
アフリカ中東部のルワンダにあるボルケーノ国立公園には、「クウィトンダ・グループ」と呼ばれるマウンテンゴリラの群れが暮らしている。
長年ゴリラの保護と研究を行っている「ダイアン・フォッシー・ゴリラ基金」が公開した映像には、クウィトンダ・グループの若い5頭が、下草の周りに集まって地面を熱心にのぞき込んでいる姿が記録されていた。
ゴリラたちの視線の先にいたのは、小さなカメレオンだ。
やがて1頭のゴリラが、好奇心からかカメレオンに向かってそっと指先を伸ばした。
指先を向けられたカメレオンは、葉の間からゆっくりと姿を現した。
傷つけないようやさしく見つめるヤング・ゴリラーズ
カメレオンが少しずつ移動すると、若いゴリラたちは一斉に小さな体を目で追い始めた。
指先を伸ばしたゴリラも、軽く触れたゴリラもいたが、とても慎重で、カメレオンを傷つけないよう、力を加減しているのがわかる。
接し方がとにかくやさしいのだ。ヤングなゴリラーズは、カメレオンとの間に適度な距離を保ちながら、その動きを見守っていた。
とはいえ、体の大きなゴリラたちに囲まれたカメレオンは、さぞかし怖かったことだろう。
ダイアン・フォッシー・ゴリラ基金も、「カメレオンは恐怖を感じていたかもしれませんが、ゴリラたちは驚くほどやさしく、好奇心を抱いていただけでした」と説明している。
ゴリラーズはカメレオンを傷つけることなく注意深く観察し続け、最後にはカメレオンも無事にその場から歩き去っていった。
コンゴからルワンダへ移住したクウィトンダ・グループ
クウィトンダ・グループに属するマウンテンゴリラたちは、もともと隣国のコンゴ民主共和国にあるヴィルンガ国立公園で暮らしていた。
周辺に暮らす別のゴリラの群れから圧力を受けたため、国境を越えてルワンダへ移動したと考えられている。
群れを率いてルワンダへの移住を成功させたのは、「クウィトンダ」と名付けられたシルバーバックのリーダーだった。
シルバーバックとは、成長に伴って背中の毛が銀白色になった大人のオスのゴリラを指す。
群れを率いるリーダーは、移動する場所を決め、外敵やほかのゴリラから仲間を守る役目を担っている。
群れの名前の由来となったクウィトンダは2012年にこの世を去ったが、残された仲間たちは現在もルワンダのカリシンビ山とムハブラ山の間で暮らしている。
別の群れでもカメレオンに興味津々
野生のマウンテンゴリラがカメレオンに興味を示した記録は、今回が初めてではない。
2025年10月には、同じボルケーノ国立公園で暮らす「クウィサンガ・グループ」とカメレオンの出会いが撮影されている。
5歳のゴリラ「サングワ」が食事をしていると、小さなカメレオンが頭の上に登ってきた。
サングワはカメレオンが乗っていることを知りながら気にせず食事を続けていたが、近くにいた1歳の「ガルカ」は違った。
頭の上の小さな訪問者を近くで見ようと、体を動かしながら懸命にのぞき込んでいた。
60年近い観察で明らかになったゴリラの家族生活
ゴリラの家族が見せる日常の姿を間近で記録できるのは、長年にわたる保護と研究の積み重ねがあるからだ。
ダイアン・フォッシー・ゴリラ基金は、霊長類学者のダイアン・フォッシーが1967年にルワンダで始めた活動を受け継ぎ、野生のゴリラを個体ごとに識別しながら毎日観察している。
今回撮影されたカメレオンとの出会いも、研究者たちが森に入り、ゴリラの家族を継続して見守ってきたからこそ記録できた出来事である。
ゴリラ属はヒガシゴリラとニシゴリラの2種に分けられ、マウンテンゴリラはヒガシゴリラの亜種である。
亜種とは、同じ種に属しながら、生息する地域や体の特徴などに一定の違いがある集団を指す。
マウンテンゴリラは霊長類最大級の大きさで、成体オスの体高(直立時)は約1.7~1.8m、体重は約150~220kgとなる。
性格は非常に温和で知能が高く、主に植物の葉や茎を食べる葉食性だ。
ルワンダ、ウガンダ、コンゴ民主共和国にまたがる限られた山岳地帯に生息しており、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは絶滅危惧種に分類されている。
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