東京の裏側に存在する“裏東京”。そこには、悪霊と戦う除霊師を育てる秘密の学園があった。

禁足地で祟りを受け、悪霊を宿した黒庭想馬。正体を隠さなければいけない彼が挑む過酷な訓練カリキュラム。強大な悪霊が迫りくる時、黒庭の中に眠る異業の力が覚醒する!

禍々しい悪霊をその身に宿した少年が真の目的を隠して除霊師学校へ

東京の地下にひっそりと存在するもう一つの街「裏東京」。
そこには、人知れず悪霊と戦う除霊師を育成するための秘密機関「裏東京除霊師学校」が存在していた。

物語は、除霊師を志しながらも自身の才能に限界を感じている少女・南部春穂(なんぶはるほ)が、裏東京校の受験に向かう列車内で、一見、間抜けだがどこか影のあるミステリアスな少年・黒庭想馬(くろにわそうま)と出会うところから幕を開ける。

突如として列車内に凶悪な悪霊が出現し、パニックに陥る中、想馬は常人離れした異形の力を振るい、瞬く間に悪霊を撃退してしまう。

実は想馬は、過去に絶対の禁足地とされる「斑町不知森(まだらまちしらずのもり)」で凄惨な祟りを受け、最悪級の悪霊をその身に宿してしまった特異な存在だった。
危機に陥った時、想馬は自身にかけられたリミッターである「錠」を外し、内に潜む悪霊の力を段階的に解放して敵を退けることができるようだ。
  • 東京の裏には秘密の学校がある──祟られた少年の中で異形の力が覚醒する!『裏東京のオソロシドコロ』
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本来であれば発見され次第、除霊師に「祓われる(=殺される)」べき存在である彼だが、自身の正体と真の目的を隠し、あえて除霊師学校の門を叩く。

彼らが挑む「裏東京除霊師学校」は「卒業率数%」と噂される、死と隣り合わせの超過酷な訓練カリラュラムが待ち受ける地獄のような学び舎だった。そして列車内の悪霊は、除霊師学校側が仕組んだ不意打ちの「入学試験」だったのだ。

合格した想馬や春穂は、首尾よく「裏東京除霊師学校」に入学。一癖も二癖もある強力な同級生や講師たちと、ときに協力し合い、ときに競い合いながら、超過酷なサバイバル戦に挑んでいく。

「バレたら即処刑」のサスペンス要素が極上のスパイスとなるダークバトルファンタジー

本作は「マガジン新人漫画大賞」出身のルーキーによる初連載作品だそうだ。
しかし、物語の冒頭から出し惜しみのない圧倒的なテンポ感は、とても新人による作品とは思えない。連載序盤から主人公の力の解放や暴走がド派手に描かれており、読者を飽きさせない構成は見事の一言だ。

主人公の黒庭想馬は、自身がかつて「ルール」を破り凄惨な祟りを受けてしまった経験から「ルールを守る」ことに人並外れたこだわりを持つ少年。普段は大人しくてコミュ症気味で、陽キャで友達作りが得意な南部春穂とは対極の性格だ。
そんな彼が、自らの肉体が禍々しい異形へと変貌していくリスクを負いながらも、圧倒的な暴力で敵をねじ伏せるバトルシーンは、本作の大きな魅力と言えるだろう。

想馬に憑依している最悪級の悪霊の力は、普段は制御されている。強大な敵との戦闘で「第1の錠」「第2の錠」とリミッターを解除し、彼自身の体を異形に変えながら力を解放していくバトルシステムが、本作の最大の鍵となっている。

想馬や春穂たちはもちろん、命がけの演習や試練をくぐり抜ける必要がある。そんななかで想馬には「体内に最悪級の悪霊を宿している」という秘密が周囲にバレたら即終了、というスリリングな設定が常に付きまとう。
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「バレたら即終了」というヒリヒリとしたサスペンス要素が、王道の学園モノ×バトル・サバイバルの世界観に、極上のスパイスを与えている。除霊師や生徒たちが繰り出す技の名前も、神話時代の神々の名や、各国のオカルト系説話、都市伝説などが元になったモノが多く、オカルト好きは思わず反応してしまう。
圧倒的な熱量を内包した、ダークファンタジーの魅力が凝縮された一作と言える。

ちなみに、本作で千葉県市川市にあるとされている禁足地「斑町不知森」のモデルは、おそらく実際に市川市にある「八幡の薮知らず」であろう。住宅街の中に、孟宗竹林が生い茂る奥行・幅ともに18mほどの雑木林が不自然に残されているもので、その近隣で学生生活を送っていた私自身も、実際に見たことがある(入ったことはない)。伝承の由来としては、神話の時代にまで遡るものも含めていくつか残されており、未だに近隣住民にとっては、入林がタブーとされている地である。いわゆる「聖地巡礼」は決してお勧めしない。
東京の裏には秘密の学校がある──祟られた少年の中で異形の力が覚醒する!『裏東京のオソロシドコロ』

裏東京のオソロシドコロ(1)

著 : KOJIRO

オンライン書店で探す 試し読みをする 東京の裏側に存在する“裏東京”。そこには、悪霊と戦う除霊師を育てる秘密の学園があった。禁足地「斑町不知森」で祟りを受け、最悪級の悪霊を宿した少年・黒庭想馬。正体を隠さなければいけない彼が挑むは、卒業率数%の過酷な訓練カリキュラム。強大な悪霊が迫りくる時、黒庭の中に眠る異形の力が覚醒する! 圧倒的世界観で魅せる除霊師学園アクション、いざ開幕! 詳細を見る 既刊・関連作品

レビュアー

東京の裏には秘密の学校がある──祟られた少年の中で異形の力が覚醒する!『裏東京のオソロシドコロ』

奥津圭介

編集者/ライター。1975年生まれ。一橋大学法学部卒。

某損害保険会社勤務を経て、フリーランス・ライターとして独立。ビジネス書、実用書から野球関連の単行本、マンガ・映画の公式ガイドなどを中心に編集・執筆。著書に『中間管理録トネガワの悪魔的人生相談』『マンガでわかるビジネス統計超入門』(講談社刊)。

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