【科目】介護✕リハビリ  【テーマ】超高齢者の回復期リハ

【目次】 回復期リハビリ病棟に入院する「超高齢者」の特徴 コロナ禍における回復期リハビリ病棟の変化 コロナ禍において家族が協力できること

YouTube「訪問リハ&訪問看護&介護保険【制度マニア】」の運営者であり、訪問看護ブログ「ビジケア訪問看護経営マガジン」の編集長、書籍『リハコネ式!訪問リハのためのルールブック【第二版】』著者の杉浦良介です。

私は理学療法士として、回復期リハビリ病棟(入院して行うリハビリ)を兼務しながら訪問リハビリで働いています。

そこでは入院中だけでなく、退院後も同じスタッフが在宅でリハビリを行っています。

昨今、新型コロナウイルス感染拡大により、病院の形態も大きく変わりました。

以前は家族が面会に行き、病室で直接声をかけたり、院内でリハビリの様子を見学したりすることができました。しかし、昨今のコロナ禍の影響で、面会すらできない状況が続いています。

私は病院と訪問リハビリで働く理学療法士ですので、入院中のことも、退院してからの在宅生活の様子もみています。

今回は、そのような立場から回復期リハと家族のかかわりについて解説します。

回復期リハビリ病棟に入院する「超高齢者」の特徴

回復期リハビリ病棟では、急性期を脱しても医学的・社会的・心理的なサポートが必要な患者さんに対して、多くの専門職種がチームを組んで集中的なリハビリテーションを実施します。心身ともに回復した状態で自宅や社会へ戻っていただくことを目的とした病棟です。

あらゆる世代の人が入院する病棟ですが、昨今は85歳以上の「超高齢者」も多く入院するようになってきています。

超高齢者には、次のような特徴が高齢者よりさらに強くあらわれるようになります。

日常生活動作能力の低下、認知機能の低下、骨粗鬆症、嚥下機能の低下、尿失禁や頻尿、鬱、難聴、貧血、低栄養、出血傾向、不整脈など

入院する原因となる病気は主に一つですが、ほかにもさまざまな病気があったり状態が悪かったりする人がいます。

コロナ禍における回復期リハビリ病棟の変化

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、回復期リハビリ病棟の様相も変化しています。中でも大きな変化は次の3つです。

1.直接面会ができなくなった(オンライン面会で対応)

院内に新型コロナウイルスを持ち込ませないために、多くの病院で直接面会の制限をかけています。

代わりに、タブレットなどのテレビ電話機能を用いて、オンライン面会を取り入れている病院もあります。

新型コロナウイルスが流行する前までは病室などに家族が来ることも当たり前でしたが、最近では入院中に接することもほとんどできません。

2.家屋評価(調査)に行けなくなった

回復期リハビリ病棟に入院中の患者は、自宅に帰った後のことを想定して、リハビリ専門職員とともに何度か自宅へ戻り、家屋の環境を把握したり、実際に自宅で動作できるか評価したりします。これを家屋評価(調査)と呼びます。

しかし、面会と同様に、最近では家屋評価に行かない(行けない)ことも少なくありません。実際の生活を見て、その環境で動作確認をすることができないため、以前よりも自宅での生活環境を想定したリハビリなどができない状況となっています。

3.家族が、患者の様子がわからなくなった

感染対策のため、リハビリの様子すら見学できないため、家族は患者の体の状態がわかりません。

脳梗塞になって麻痺の障がいを患った状態で退院する流れになっても、「何ができて、何ができないのか?」「どのくらい体が動くのか?介助が必要なのか?」といったことを退院するまでわからない状況です。これは、本人はもちろん家族も不安になるはずです。

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コロナ禍において家族が協力できること

コロナ禍の回復期リハビリ病棟では、できなくなったことが多くありますが、その中でも家族が超高齢者の方に対して、できることを紹介いたします。

1.家の環境を写真などで伝える

回復期リハビリ病棟は、自宅に帰ることを基本としている病棟です。そのため、自宅に帰った後の生活を想定したリハビリを入院中から実施します。

新型コロナウイルスの影響により、家屋調査に行けない場合も多いので、家族からスマホやデジタルカメラで自宅の写真を撮影して病院のリハビリ職員に渡すことで、リハビリ専門職が自宅の生活をイメージしやすくなります。

超高齢者は日常生活動作能力が低下している場合が多いため、特に寝室、トイレ、お風呂、玄関、食卓、廊下、玄関前などと、それらをつなぐ動線の写真を撮ることをおすすめします。

2.入院前(発症・受傷前)の生活を伝える

回復期リハビリ病棟に入院する場合は何かしらの病気となり、身体機能が変化した状態となります。

例えば、足の付け根を骨折した場合は、入院直後は手術の影響もあって歩けない状態となっています。また、脳梗塞が発症したことによる入院では、体に麻痺を生じていることがあります。

病院で働くリハビリ職員は、入院前の生活や身体機能を参考にして、なるべくその状態に近づけるようサポートします。入院者の生活スタイルの基本が人それぞれ異なりますので、その人が入院前(発症・受傷前)にどのような生活をしていたかを病院スタッフに伝えることがとても大切になります。

3.退院後の家族の希望をしっかり伝える

超高齢者は、認知機能が低下している方もいます。また、病気を発症している状態ですので、本人の希望をしっかりと伝えられない場合も少なくありません。

現状では面会制限がありますので、家族が病院のスタッフに会う機会も減少しています。その結果、退院後にどのような生活を送るのかという話し合いがしっかりとされないまま、退院の話が進んでしまうケースもあるはずです。

病院のスタッフも本人や家族の希望をなるべく叶えられるようにプランを検討していきますので、家族としての意見をしっかりと伝えることが大切です。

家族の意見を伝えるべき大きなポイントは「その後の生活の場は家か、施設か」という選択です。最近では、家で受けられる介護サービスも充実してきていますので、要介護4・5などの重度な方でも、充分に自宅で生活できる可能性はあります。そのため、家族としての意見をしっかりと入院中の早い段階から伝えることが大切となります。

4.部屋の場所を変更しよう!

頻尿になるケースも少なくありません。また、病気の発症や怪我などの受傷により身体が不自由になっている場合があります。そのため、トイレから近い場所に部屋を移動するなどの工夫が必要です。

尿意があるときは、急いでしまう傾向があるので、近くにすることにより、移動が安全になり、転倒予防などの効果もあります。トイレを近くにする分、ほかの時間で家族と歩行するといった運動の機会を設けられると良いでしょう。

5.食事に注意をしよう!

超高齢者は嚥下機能が低下していることがあります。そのため、栄養がなかなか取れず、低栄養になってしまうこともあります。

回復期リハビリ病棟を退院するときは、管理栄養士から食形態やバランスの取れた食事の指導があります。指導通りに食事を準備することも家族にできることのひとつです。

また、最近ではバランスの取れた食事や塩分制限のある食事や食形態の配慮がされた食事の宅配サービスもありますので、それらを活用することもおすすめします。

6.ゆっくりと大きな声で話そう!

超高齢者は難聴の方が多いです。難聴の方は早口や小さな声が聞き取りづらいため、家族の方はなるべくゆっくりと大きな声で話しかけるようにしましょう。

また、認知症の方も多いので、繰り返し同じことを話したり、時には忘れてしまったりすることもあると思いますが、イライラせずに受け止める姿勢も大切になります。

7.状態の変化に注意しよう!

超高齢者は、さまざまな病気を持っているうえに貧血や不整脈、低栄養、肺炎などのリスクもあります。状態の変化には早期発見・早期治療が有効ですので、退院した後、家族から見て少しでも「おかしい」と思ったら、すぐに病院を受診しましょう。

85歳以上の超高齢者の回復期リハ。コロナ禍で家族が協力できること
家族の協力がリハビリをスムーズにする

新型コロナウイルスにより、病院のスタイルも日々変化しており、今後もさらに変わっていくことが予測できます。そのような社会の変化に病院スタッフも柔軟に対応していますので、もし回復期リハビリ病棟に家族が入院している場合は、今回紹介したことを参考にしながら家族が協力できることを一つでも実践していただければと思います。

回復期リハビリ病棟での入院生活をより良いものにするためには、本人だけでなく家族の協力も欠かせません。

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