地震、豪雨、大雪、猛暑-。今や災害は「忘れたころにやってくる」のではなく、「忘れる前にやってくる」ものになった。

 日本だけではない。土石流、熱波、洪水、ハリケーン。世界各地で同時多発的に自然が猛威を振るい、大規模な災害を引き起こしている。
 気象庁の異常気象分析検討会は、線状降水帯が発生し、記録的な大雨をもたらした8月の千葉豪雨について「非常にまれな現象」という意味の「異常気象」だと認定した。
 地球温暖化による海面水温の上昇で、水蒸気量が増えたことが雨量や台風の勢力に影響しているという。
 「過去の経験や常識が通用しづらくなってきている」と、検討会会長の中村尚東大名誉教授は指摘する。
 欧州では強烈な熱波によって多くの死者が出た。線路の変形で貨物列車の脱線事故が起きたり、猛暑のため休校とする小中学校が相次いだ。
 ネパールと中国チベット自治区の国境付近では、目を疑うような大規模な土石流と洪水が発生した。死者はこれまで分かっているだけで1100人を超え、日本人5人の安否も不明なままだ。
 山岳地帯の氷河が崩落したことが原因だとみられている。
 温暖化が進むと氷河や凍土が溶け、地盤が不安定になる。

 今回災害が起きた地域では昨年7月にも氷河湖が決壊し、洪水や土石流が発生したという。
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 国連環境計画(UNEP)は2日、地球温暖化による産業革命前からの気温上昇が数年以内に世界平均で1・5度を超える、と警告を発した。
 気温上昇を1・5度に抑えるという「パリ協定」の目標が実現できない場合、何が起きるか。
 UNEPの報告書によると、1・5度を超えると極端な気象現象が増え、小さな島が水没する恐れが高まる。人の健康や食料生産、経済にも深刻な影響を及ぼす。
 パリ協定に参加する日本を含む約190の国や地域は、現状を放置することなく、対策を強化する必要がある。
 その足かせになっているのがパリ協定から離脱し、温暖化対策に後ろ向きなトランプ米政権の存在だ。
 協調性を欠いた米国の姿勢は厳しく批判されなければならない。
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 日本はパリ協定の重要な参加国であり、先導役を果たすことを求めたい。
 その上で、政府に緊急に求められるのは災害対策である。南海トラフや首都直下地震などの大規模災害への備えは急務である。
 各種災害の被災地支援も、現段階の水準よりさらに内容を充実させる必要がある。

 政府は11月にも災害対策の司令塔となる防災庁を創設し、地方機関として防災局を置く方針だ。
 防災こそ今、優先されるべき人間の安全保障である。
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