佐野が演じる島田健次郎は、新しく生まれた言葉や外国語に造詣が深く、小説家を志しながら新聞社で活字工として働く青年。りんの良き相談相手として寄り添う一方、自ら考えた造語「一とんびする」を生み出すなど独特の感性を持つ人物だ。記事を書くなかで、事実と異なる内容が世の中へ与える影響を目の当たりにし、文字の持つ力と向き合っていく。
これまで演じてきた健次郎について佐野は、「“朝ドラ”は撮影の日数が長いので、役に対する思い入れや理解は深まっている気がしますし、演じていくうちに最初に思っていたシマケン像とは全然違うのだと感じました」と振り返る。
当初は自分の得意分野では流ちょうに話す一方で、りんには不器用で少しそっけない人物という印象だったという。しかし、物語が進むにつれて周囲の人々と打ち解け、笑顔を見せる場面も増え、「心を許した相手には笑顔を見せて懐に入ってしまうキャラクターなのだと演じていくうちに知りました。こんなに笑うキャラクターだとも思っていなかった」と心境の変化を明かした。
さらに、「台本を読み進めると『確かにシマケンはこんな人だよなぁ』と今まで僕が演じてきたシマケン像とつながる気持ちのよい瞬間もあり、パズルが完成していく感覚になります。1年かけて撮影させていただけるからこその役作りのおもしろさを実感しています」と、長期作品ならではの魅力を語った。
第18週の終盤で描かれた、りんに会うため新潟を訪れ、海辺で思いを伝える場面については、「シマケンがひとつピリオドを打つような、男らしく気持ちを伝えるシーンにしたい」という演出の意図を受け、多くの話し合いを重ねて撮影に臨んだという。
「りんを真っすぐ見つめながら『愛おしいです』とセリフを言ったら僕もなぜか泣いていたし、そのあとの見上さんもボロボロ泣いていて」と撮影当時を回想。「撮り終わったあと演出の方とカメラチェックしたとき、すごくいい顔をした見上さんの表情を見て『あぁよかった』と思いました。
今後については、「『風、薫る』のりんと直美というふたりの主人公がどのように見えるかが大切だと思いました」と作品全体を見据えた視点を明かし、「これから先のシマケンがどうなるかまだ分からないですが、ふたりの主人公や、その家族にいい影響を与えて作品のいいスパイスになれるようにこれからも精いっぱい演じていこうと思います」と意気込みを語った。

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