◆2026/27明治安田J1▽第1節 横浜FM3―4鹿島(7日・MUFG国立)

 開幕節の2試合が行われ、連覇で10度目の優勝を狙う鹿島は、2―3で迎えた後半アディショナルタイム(AT)に2ゴールを挙げ、4―3で劇的勝利を収めた。横浜Mのホーム扱いで行われ、横浜Mの超新星FW三井寺真(16)に3ゴールに絡む活躍を許しながらも、空気を読まずに大逆転勝利。

Jクラブ史上初のリーグ優勝とアジア制覇の2冠を目標に掲げる王者が、幸先良く勝ち点3を手にした。

 「聖地」国立が一瞬、静まりかえった。3―3の後半AT12分、柴崎のパスにチャブリッチが抜け出し、キックモーションに入った場面。シュートは相手GKの股間を抜けた。アウェーのはずの会場が、ホームのような大歓声と熱狂に包まれた。「見に来た人、全員が楽しめたんじゃない?」。途中出場で2得点のヒーローはニヤリと笑った。

 完全に「負け試合」だった。序盤から攻守のバランスが悪く、前半7分に横浜Mの16歳・三井寺に今季のJ1第1号ゴールを献上。その後も三井寺に翻弄(ほんろう)され、6万人が駆けつけた会場は、新鋭擁する横浜Mが王者を破る筋書きが出来上がっていた。

 しかし、常勝軍団は空気を読まない。後半36分にレオセアラが1点を返すと、鬼木達監督(52)は同40分にサイドバック2人を下げ、MFの松村と林がDFラインを兼務する“2バック”にチェンジ。

視察した日本代表の森保一監督(57)が「鬼木さんは…本当にすごいですね」とうなる超攻撃的布陣で2点を奪った。

 7月7日の始動日。J1とアジアのダブル制覇を目標とすることを説明した鬼木監督は、4本の映像を選手に見せた。1本目は特別大会「百年構想リーグ」の“V決定戦”で神戸に0―5の大敗を喫した映像。「一番忘れてほしくない苦い思い出から。最終的に内容よりも勝負だぞ、と」。一瞬でも隙を見せればタイトルを失うことを強調した。

 2~4本目は、ACLEで直近3シーズンに日本勢(横浜M、川崎、町田)が決勝で敗れた映像。「簡単ではないぞ、と。その覚悟を持ってくれと伝えたかった」と指揮官。あえて初日に見せることで意思を統一し、チームに火をつけた。

 どれだけ苦しんでも、何だかんだ結局、最後は鹿島が勝つ―。

Jクラブ最多となる主要タイトル21冠を誇る名門がクラブ伝統の勝負強さを発揮し、偉業に挑むシーズンの白星発進に成功した。(岡島 智哉)

 〇…MUFG国立で開催の「横浜M―鹿島」の試合開始前に、開幕セレモニーが実施された。Jリーグの公式戦史上最多となる約2500発の花火が打ち上げられたほか、プロジェクションマッピングによる演出なども行われ、シーズン移行後の初年度となる26~27年度の開幕を盛大に祝った。試合のチケットは完売となり、ゴールデンタイムでは24年ぶりとなる地上波生中継も行われた。

編集部おすすめ