同商品は、ディズニーキャラクターズの図鑑を楽しみながら、ひらがなやカタカナ、数字、英語などの読み書きを学べる知育玩具。
開発の背景について、オリコンニュースは発売時の4月、タカラトミー企画開発課の白上美央さんにインタビュー。そこで明かされたのが、白上さん自身の子育て経験から生まれた開発の原点だった。
■「子どもに文字を教える」難しさから生まれた商品
小学校入学を控えた子どもに文字を教えようとしても、ドリルにはなかなか取り組んでもらえない。白上さん自身も、店頭に並ぶドリルの対象年齢を見て「5歳はこれができるんだ…」と焦りを感じた経験があったという。
仕事や家事を終えた後、親子で机に向かって学習すること自体が負担になる。そこで白上さんは、「自分と同じ苦労を、今のママたちにはさせたくない」と考え、文字を書くことへのハードルを下げる商品を考案した。
開発を進めるなかで専門家から聞いたのは、文字を書くという行為が、幼児にとって実は非常に複雑な動作だということ。ペンを握り、力を調整しながら動かし、狙った場所で止める――大人が無意識に行っている動作を、子どもは一つひとつ身につけなければならない。
この気づきから、「まずは書くことを楽しんでもらう」という発想へとつながっていった。
■「下の絵が見えない」試行錯誤を約2年
商品化に向けては、図鑑の上に半透明の電子パネルを重ね、イラストを見ながら文字を書ける構造を採用。しかし、開発当初は「ボードの下にある図鑑の絵が全く見えない」という問題に直面した。
イラストをきれいに見せながら、タッチペンの位置を正確に認識させるには、素材や印刷方法の工夫が必要だった。生産工場とも試行錯誤を重ね、完成までに約2年を費やしたという。
さらに、子どもが書いた文字をどこまで正解と判定するかも大きな課題となった。大人だけでなく保育園児にも実際に文字を書いてもらい、データを収集。正確な学習を支えながらも、判定が厳しすぎて子どものやる気を損なわないよう、細かな調整が行われた。
■「勉強」ではなく、まずは「遊び」から
同商品には、文字を書くことが難しい子どもでも楽しめる仕掛けも用意されている。
例えばカレーのページでは具材をなぞると鍋から調理音が聞こえ、猫のページでは猫の体に線を描くと「猫ふんじゃった」のメロディが流れる。文字を書けなくても、自由に線を描くことから遊べる。
親は「学んでほしい」と思っていても、子どもにとってはあくまで遊び。その入り口を作ることで、自然とペンを動かし、「書いてみたい」という気持ちにつなげる。
親子で「どう教えればいいのか」と悩んだ経験から始まったアイデアは、技術面での約2年にわたる試行錯誤を経て商品化。そして今回、「日本おもちゃ大賞2026」のエデュケーショナル部門大賞という形で評価された。
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